【原っぱに二人。】
「ねえ、京介」
「なんだい?」
今日は二人、原っぱでごろごろ。原っぱというよりは焼け野原の石ころがごろごろ。
「戦争、終わったって」
今日は何も問わなかった。ただ、風の運んだ音を聞いただけ。この人の髪は土に汚れても美しい色をしていた。
「へえ、それを君はなんで知っているの?」
彼からの問いは随分と久しぶりだった。
「わからないけれど、聞こえたのよ」
あの人の亡骸にずっと泣き叫んで尋ねてた、あれが最後。
「もしかして君、超能力に目覚めた?」
「わからない」
「そう」
彼の瞳は久しぶりに煌々と輝いていて、何か嬉しい事でもあったのだと思った。
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