【目的】


「……このように洗剤を分量通りに入れて、後はこのボタンを押せばいい」

 風呂場。脱衣所。洗濯機の前。

「どれですか」

 何故、私はこんな事をこんな子供へ教えねばならないのだ。こんな事している暇は本当に無いのだ、私には。ノーマルにもをESPを普及させるという目的のためには、もっと時間を有効に活用せねば。

「これだ、これ」
「……?」

 せねば、ならないというのに。この子供は物分かりが悪いな。

「この光っている所だ」
「あ、ありがとうございます」

 ふむ、明かりでやっと認識した。もしかしたら目があまり良くないのかもしれない。その様な個体情報は入っていなかった筈だが。こんなのに身辺の警護をさせて大丈夫なのか、コレ。

「後はシャワーだが……」
「…………」

 ちくしょう、また目が合った。ええい、見上げてくるな、忌々しい。

「……わかった、付き添おう」
「ありがとうございます」

 これでは本当にただの子守ではないか。ああ、疲れる。





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