【新たに一人。】


「初めまして、あたしマッスル! マッスルって呼んでちょうだいね!」
「名前もあだ名も変わらないぞ」
「だってそれ以外になんて言えばいいのよォ!」

 彼はマッスル。京介の見つけてきた子らしい。服装の趣味が苛烈だが、いい子に見える。

「初めましてなまえです、マッスルさんどうぞよろしくお願いしますね」
「よろしく、なまえちゃん! あら、どうぞ座ってて、お茶ならあたしが淹れるわ!」

 あの時から45年。彼は少しずつ少しずつ賛同者を集めていた。そして偶にこの家へ帰りがてら連れてくる。

「大丈夫よ、まだ60なのだから」
「そう? じゃあ、あたしはお茶菓子用意するわね! 少佐はテーブル片付けて!」

 何に賛同するのかというと、それは勿論やっぱり彼の理念。普通人殲滅。普通人と超常能力者の戦争。

「緑茶、大丈夫かしら?」
「勿論よ! あ、浅草の人形焼持ってきたのだけれど、それでもイイかしら?」
「ええ、ありがたいわ」

 でも彼らにとっては宗教戦争とも言えるかもしれない。

「テーブル、綺麗になったよ」
「はいはい、ちょっと待ってて下さいね」

 私達の神は、この人だけだから。





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