第一部 [4/19]


出会った見世物小屋の見張り、従業員などの黒服たちは始末していく。そのおかげで通路や部屋は血の赤や死体で埋め尽くされていた。


ゴキリと黒服の首を捻じ曲げたフィンクスがつまらなそうな顔をしている。特に用心棒を雇うわけでもなく、黒服の中に念能力を使える人が居るわけでもなく、ただの一般人だけのこの状況は彼にとってやる気が起きない。
ふと一緒に行動しているマチの様子を見ると、壁に貼られた絵画を見ていた。

「どうかしたのか」
咥えたタバコに火をつけながら声をかけると、マチは絵画の額縁に触れながらちょっとね、と答えた。
フィンクスも近づいてみてみるが、何も変哲のなさそうな絵だ。綺麗でも、目を引くような絵でもないだろうことはフィンクスでもわかる。ただの小汚い絵画だ。
そんなものを見るよりも今日の宝を探すほうが先じゃないのかとつまらなそうな顔をしながら、指で挟むタバコを再び咥えて煙を吸う。フィンクスがフーと吐き出した煙は、どういうことか、絵画に吸い込まれるような動きをした。



**********



「でかした!隠し通路があったんだね!」
再び合流したシャルがフィンクスからタバコをもらい、その煙が吸い込まれる様子を見ていた。

「なあ、さっさと壁ぶち壊して行こうぜ」
ウヴォーギンが指の骨を鳴らしながら絵に近寄る。後ろに立っていたクロロがそうだなと答えるとウヴォーは絵画を軽く殴る。バンっと破裂した絵の向こうには細い通路があった。


「お前のその体じゃ入れねえな」
笑いながらノブナガはウヴォーの開けた通路を歩き出す。クロロが、シャルにウヴォーと残るように言うとマチとフィンクスと共に通路の奥へと向かった。




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