第一部 [3/19]


夜。たどり着いたのは小さい町だった。人も少ないかと思ったが、小ささの割には人が多くいる。

情報収集のため、街の様子を、二人一組になり見て回った。
時間になり、集合場所に集まると、フィンクスが一枚のチラシをシャルに差し出す。

「人が多いのはこいつのせいみたいだぜ。何やらマチが気になるらしい」

フィンクスが見せたのは、見世物小屋のチラシだった。珍しい動物、奇妙な動物など様々な動物たちの絵が印刷されている。

「ここの文字が気になるんだ」
シャルの持つチラシをマチが指差す。そこには“目玉入荷!魔獣と人間の子供!!”という文字が書かれていた。
見世物小屋では特に珍しいことではない。魔獣と人の子と評して子供に魔獣の一部を縫い付けただけのものなどを見世物としているところがほとんどであった。

「勘?」
「勘だ」
シャルの質問にマチがはっきり答える。


「夜中、忍び込んでみるぞ」
ふむと顎に手を当てて何かを考える様子のクロロは、その後それぞれの配置などを告げた。



**********



月が雲の間からちらりと覗く。メンバーはそれぞれ、正面、裏、屋根の上に待機している。シャルからの合図で携帯電話のバイブが鳴る。
一瞬にしてその場から飛び立った彼らは、出入り口の見張りをしていた黒服を音もなく仕留めた。



一方、屋根の上にいたクロロは、いつの間にか見世物小屋の奥、動物たちを置いている部屋を歩いていた。
「ここにはいないみたいだね」
クロロの後ろを歩くシャルは、一つ一つ檻の中を見ながらクロロに声をかける。
チラシに書いていた魔獣と人間との子供のような動物が見当たらないのだ。

すぐに合流したマチたちと手分けして探す。




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