沖縄を好きになる

仕事をしている時は、あんなにも一日が長く感じるのに、どうして楽しい時間はアッという間に過ぎてしまうのだろうか?
3日間の滞在時間はあっと言う間に終わりを告げようとしていた。
振り返ると、福洲園に始まり、首里城や宜野湾海浜公園などといったガイドブックに載っているようなメジャーな観光地を巡り、郷土料理をたらふく食べたりした3日間であった。
あのタクシーの出来事以降、ホテルのフロントやお店の店員以外に現地の人との交わりは特に無かったが、それでも僕は沖縄が気に入った。
僕が住んでいる首都圏と比べるとまるで別世界のような沖縄。
本当にここは日本なのか!?と疑いたくなるような雰囲気。
そして、沖縄気候も空気も建物も全てが妙に気に入ってしまった。
僕の性分に合っているような気がした。
それでも、この時はまだ、ここに住みたいとかそういう風な感じではなく、旅行でたまに行く場所として、余暇を楽しむ場所として気に入っただけである。

杏伍もおそらく僕と同じ気持ちかもしれない。
いつもお互いに影響し合っていたから、僕は安易にそう思ってしまったのだろう。
それが後に僕の人生を狂わせるような事になるとは知らずに……。

帰りの飛行機の中で、また定期的に沖縄へ旅行することを杏伍と約束して、僕たちの初めての沖縄は終了した。

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