沖縄移住(2006.1.27後編)
2007/01/28 21:40

僕は空港のロビーで、自分の選択は間違っていたんじゃないかという後悔、杏伍が僕に無断で保証人の解約の準備を進めていた事などを頭の中で整理していた。
でも、考えれば考えるほどに訳が判らなくなり、しばらく放心状態だった。

飛行機の搭乗案内のアナウンスで一瞬で僕は我にかえった。
最後に外の、沖縄の空気に、風に触れたいと思って、空港とゆいレールの連絡通路へ飛び出した。
そして、沖縄へ来てから今日までのことが一気に思い出され、後悔と悔しさが吹き出してきた。
僕はその場で泣き崩れた。
そんな僕を見て、杏伍が遠くからウザッたそうな顔をしながら僕を見ていることなど、この時はまだ知るよしもなかった。
なぜなら、この時はまだ杏伍を信じていた。
純粋な気持ちで親友である僕のことを心配して、沖縄まで迎えに来てくれたのだと信じて疑わなかったし、信じたかった。

僕が杏伍を疑い始めたのは、沖縄から帰ってきてから一週間後、杏伍は彼女と入籍をした。
あまりにも話が出来過ぎている。
全てが仕組まれたことだったんじゃないかと思った。
なぜなら、彼女は保証人に反対で、保証人を降りなければ結婚はしないと以前から揉めていたからだ。

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