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AMNESIA(イッキ)


イッキ×主人公です。

GOOD後で若干…15禁要素がある様な、ない様な…。
また名前は「マイ」で固定させていただいてます。





朝、目が覚めると何処からともなく包丁のリズミカルな音と食欲をそそる良い匂いが僕の思考を覚醒させてくれる。数ヶ月前では考えられなかった日常が、今ではもう当たり前のようになっていて、自然と笑みが浮かんで眠気は一気に覚めてしまった。


ああ、いま、幸せだ。
そんな幸福感が僕を頭のてっぺんから足の爪先まで満たしていく、そう感じて。
僕のために朝食を作っているだろう彼女のもとへと向かえば。楽しそうに鼻歌を歌いながら朝食を作る後ろ姿があった。



「―――マイ、」

「きゃっ、イ、イッキさん!いきなり抱きつくなんて驚くじゃないですか」

「ごめん、ごめん。
…後ろ姿も可愛くてつい、ね?」

「っ、もう…からかわないでくださいっ」

「からかってなんかいないよ?僕はいつだって君に真実しか言わない。
マイだって、解ってるでしょ?」

「、…わかって、ますけど!…恥ずかしいです」



背後から抱き締めたまま彼女の表情を覗き込むと、言葉のまま頬を染めて項垂れていた。ああほんとうに可愛い。
可愛くて、愛しくて。
幸せすぎて、どうしたらいいのかわからなくなりそうだ。
仄かに鼻を擽る自分と同じ匂いに、朝から理性は底をつきそうで。



「ねえ、…マイ」

「なんで、すか?」

「僕、今すごく欲しいものが、あるんだけど」

「欲しいもの…?
えっと、今すぐ用意できるなら作りますよ?」

「そう?ならよかった」


僕が今すぐ欲しいもの。
そんなの、君しかいないじゃない。律儀にも何が食べたいのかと聞いてくる彼女にクスリ、微笑むと。首筋に舌を這わせて示す。
―――君が欲しいんだと。
瞳で、行動で理性はもう限界なんだと訴える。



「っ、イッキ、さ…っ」

「…ごめんね、…君が嫌なら止めてあげたいんだけど。
僕の理性、限界みたいだから今日は止めてあげられそうにないんだ」


そう告げて、エプロンの隙間から手を忍ばせて大きな膨らみを優しく揉みしだいた。そんなことを言ったけど、本気で彼女が止めてと言ったなら僕はそれに従うだろう。理性が限界であっても、好きな子の涙は、見たくないから。
けれど小さく漏れた甘さを滲ます吐息にそっと胸を撫で下ろした。


朝から見境なく盛る僕は発情した獣だ。
けれどこんな僕でも君は愛してくれる、求めてくれるそれが嬉しくて。
ただ夢中で、彼女を求めた。


2012/01/20 12:54
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