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AMNESIA(シン)


シン×主人公です。
実はシン書いたのお初。
…なんか消化不良…リベンジします!

GOOD後で季節外れの夏場っぽい?短めのお話。





さっきから不機嫌なオーラを放っている大好きな恋人。
チラリ、と試験勉強に励んでいるシンの横顔を観察しながら私は小さくため息を吐いた。


「ねえ、シン…」

「…………………」

「シンっ、てば!」

「…………なに?
俺、今勉強してるんだけど」


沈黙に耐えられなくなって、彼の名前を呼べば不機嫌さを隠そうともしないトーンを低くした声が"話し掛けるな"と言っているようでその先が続かなくて思わず、「…うっ…」と言葉に詰まってしまった。それが気に入らないのか、それはもう盛大なため息を吐かれてしまって、ジロリ、と紅い瞳がまっすぐに私を射ぬいた。


「お前さ、…自覚ないわけ?」

「……え、?」

「だから、無防備だって言ってんの。警戒心持て、って俺何度も言ってるはずなんだけど」

「…確かに言われてるけど!」

「なら実行しろよ…ったく…」


呆れたようにガシガシっと髪を掻くシンは、私の腕を強く引き寄せるとそのまま倒れ込むように彼の腕の中にダイブする羽目になった。
私はというと一瞬何が起きたのか解らなくて、呆然と眼を瞬かせるばかりで。
けれど次の瞬間、シンの心音が聞こえてきて。
それがあまりにも速く鼓動が高鳴っているから。
ああ、わたしと一緒だと嬉しくなって甘えるようにそのまま身を預ける。


「っ、ほんと、お前って無防備過ぎ!…少しは俺の身を考えろ」


―――そんな肌露出させて、誘ってるわけ?
なんて、言われてしまって。
自分の衣服を思いだし、確かに今日は少し暑くてキャミソール一枚だけしか着ていなかったな、と確認してみた。けど誘っているとかそんな意味はまったくなくて。


まったくないけど。
そうだよ、って言ったら。
シンはどんな反応するのかな?なんてバカなこと考えて。


「…そうだよ、シンが好きだから…誘惑してるんだよ…?」

「っ、―――…お、まえ…っ!知らないからな、…マジで今回はお前が悪い」


なんて、嘘だよ。
と、言う暇もなくその場で押し倒されて息も出来ないくらい激しいキスをされて。
一瞬後悔してしまったけれど、でも、やっぱりなんか幸せで。私はそのままシンの腕に抱かれていた。





2012/01/23 12:46
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