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「なんだって!?自殺ッ!ポルポが!」

「なぜポルポが死んだのかはどうでもいい。ポルポは死んで当然の事をやってた幹部だからな…」

ポルポの自殺、遺産、回収。
当然のことながら全く話についていけない。けどそれは私だけではないようで、誰もが驚きの表情を露わにしている。

『えっと…ちなみに、その遺産っていうのはどれくらいなの?』

「6億円だッ!俺だけがその場所を知っているッ!」

ブチャラティの話によると、どうやらポルポという幹部の隠し財産を隠したのが彼らしい。そしてその金で「幹部の座」が買えるようだ。

「カプリ島のどこに6億もの金を隠したんだよッ!ブチャラティーッ!」

興奮したように叫ぶナランチャの問いに、皆がゴクリと唾を飲みブチャラティの答えを待つ。

「…それはまだ言えない。隠し金のウワサが組織の一部で流れている。カネを完全に確保するまで安心はできないからだッ!」

『ウワサ、ね。』

ウワサが確信に変わる前に動く人間はいるだろう。もしかしたらもう後を付けられているか、先回りされているかもしれない。けど、それなら尚更ブチャラティは現地に着くまで隠し場所は教えてくれないだろうし、だとしたらきっと敵は…逃げ場のないこの海上で、何としても口を割りに来るはずだ。

『ねえ、ブチャラティ。とりあえずさ、ナランチャのエアロスミスで周り警戒した方がいいんじゃ…!?』

一瞬、ほんの一瞬だった。ブチャラティに進言しようとナランチャに目を向けた矢先、彼がその場から居なくなったのだ。いや、居なくなったのではなく、床下に引きずり込まれていった…と言った方が正しいかもしれない。

『ナ、ナランチャ!?』

「!!おい、何かおかしいぞ!どうかしたかナランチャッ!」

ブチャラティの声と大きな物音で、皆が異変に気付く。
すぐさま一番近くにいたミスタが甲板によじ登って確認するけど、やっぱりナランチャの姿は無かったようだ。

「バ、バカな…!」

『…いない、ね。』

ミスタに続いて甲板に上ると、そこにはナランチャが履いていた靴の片方が落ちてるだけだった。

「よく状況がわからないんですけど…いったいナランチャのやつ、あいつどこ行ったんです?」

「おまえら…見えなかったのか!?」

フーゴとブチャラティだけじゃなく、どうやらナランチャが消えた瞬間を見た人間は、私以外いないらしい。

「レイ、あなた一番最初に異変に気付きましたよね?何か見えなかったんですか?」

『え、いや本当一瞬だったから確信はないけど…私は、ナランチャがこのボックスの中に引きずり込まれたように見えた…かな。』

「……なんですって?」

一瞬の間の後、フーゴが訳が分からないといった顔をする。
…まあ、当然の反応だよね。私だって分からない。でもどっかに落ちたとかずっこけたとかじゃなかった。それだけは確かなことだ。

「ンなわけねえーだろッ!てめぇも信用ならねぇ、すっこんでなッ!」

『…あはは、すいませーん。』

このアバッキオって人は多分、ナランチャ以上に私のことを嫌っているし、ジョルノの事はもっと大嫌いって感じがする。まあ私はただの一般人だし、ここは彼の言う通り余計なことは言わない方が良いかもしれない。

『けど、じゃあ結局振り出しに戻るけど、ナランチャはどこいったの?』

今はとにかくナランチャの安否が優先だ。正直彼にはあんまり良い印象は無いけど、一応仲間だしね。


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