25沖田さーん


そして何だかんだと時間がかかり。
かなり迷った末、同じ柄で何色にするかというところまでは絞れた。
うん。自分優柔不断すぎだろ。

「沖田さーん」
「…何でィ。まだ決まらねーんです?」
「もちょいです。あの、つかぬ事をお伺いしますが」
「ん」
「緑と紫と白と赤と、あと黄色。どれが好きですか?」
「あ?何です?緑と紫と…?」
「緑と紫と白と赤と黄色です」
「…白」
「白ですか」

一番汚れやすそうなのきた。
しかも理由何となく分かるし。

「血で染めるのにうってつけでさァ」
「ああはいはい言わないでください分かってますよおおお」
「それがどうしたんでィ」
「どうもこうも。色選びに手間取ったので沖田さんに決めてもらおうと」
「…何で?」
「何で、って。沖田さんが隣歩かれたくないっていうから、沖田さんに合わせようとしたんですよう」
「………」

何故かそこで黙る沖田さん。あれ私地雷踏んだ?構えた方がいい?
けれど沖田さんに何もしないままだった。

「あの、沖田さん?お会計しますよ?」
「祐季」
「はい」
「着て来い」
「…あ、はーい」

一瞬意味が分からなかったけど、まぁそうだよね。今の服が嫌なんだし。
すみませーんと店員さんを呼び、試着室で着付けてもらう。
数分後無事に白の着物を着て試着室を出ると、沖田さんが支払いを終えていた。

「あ、すみません沖田さん。帰ったら返します」
「いいですぜィこんなはした金」
「いやいや大金ですよ!ホントいくら貰ってるんですかいくら…」
「あと財布に小銭が溜まると貧乏くさくて嫌なんでィ」
「セレブーー!」

同じ釜の飯を食っているとは思えない発言だった。



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