24着きやしたぜィ


いやまぁ仕方ないんですよ。
私は基本はちゃらんぽらんに出来ていて、自分でも「これでも成人(笑)」とか思ってるんだけど。
でもあのね、真選組は大好きだから、それゆえに大切な人を…奪っちゃった自分はどうかと思うし。
だから今は凄く情緒不安定。

沖田さんとデエトだわああああい!な自分と、
沖田さんとデエトだ殺されるううううう!な自分と、
私ってここにいていいのかなぁ、な自分と。
私にしては色々考えてる。

「着きやしたぜィ」
「えっ、おっ」

不意に立ち止まり、指差す方向には意外にも服屋があった。
沖田さんの私服選びですか!?ふおおおお!

「バカ違ェや、オメーのでさァ。好きなの選びやせェ」
「…えっ?」

目が点になる。
え、待って、沖田さん今何語喋ってた?
もし日本語だったら私の服を選べ的な意味の言葉を発しているように聞こえたんだけど?

「実際そう言ったんでェ」
「……え?沖田さん何言ってるんですか?」
「絞め殺すぞ」
「標準語ォォォォ!!」

沖田さんの標準語の威力は目を見張るものがあると思うのは私だけか。
とにかく軽く背を土足で踏まれるという形で文字通り背中を押されたので、恐る恐る店に入る。
え、マジで?しかもこの流れ、買ってもらうとかそういう?
しかも後ろを振り返ると沖田さん店の前で待ってるし。

「あの沖田さん」
「何でィ」
「理由を教えてくれませんか?出来れば傷つかないようオブラートに包んでもらって」
「あん?……んー…、あー…。オメーの私服があまりにもダサくて横歩かれたくなくて」
「精一杯考えてオブラートに包んだ結果がそれですか!?」
「いいから早くしろィ」
「でも予算は」
「んなもんこんなチンケな店でオーバーするわきゃねーや」
「ウイッス」

とは言っても正直着物の相場は分からないんだが。

「うお、…わぁ……。すっご、キレー…」

触れるのも憚れるような繊細な織物が、店内には所狭しと並んでいた。
この店をチンケな店、って…。沖田さん普段どんだけ高価な店行ってんの。あとどんだけ給料貰ってるの。
どれも綺麗に見えるので、店員さんに頼んで見立ててもらうことにした。

「これなんかどうですかぁ?お客様とてもお似合いだと思いますよぉ〜」
「えぇ〜ホントですかぁ〜?うそぉ〜気になるぅ〜」
「………(スチャ」
「すいませんコレ試着していいですか」

店の外で沖田さんがバズーカを構えた気がした。



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