19んじゃいくぞ


「んじゃいくぞ、――始め!!」

合図と共に沖田さんが木刀に手をかけたまま距離をつめてくる。
じっと見つめ動きを確認し、素早く2発撃ち込むが、

「ほっ、―よっと」

簡単にかわされてしまった。
ううん、やっぱり強い。今までの人は避けれてもギリだったからなぁ。
手加減というワケではないが、一応隊服と身体のギリギリのところを狙って撃っている。いくらゴム弾でも当たったら痛いし。私も訓練のとき痛かったし。
だからかわされても仕方ないと言えば仕方ない。今までの相手はそれも含め確実に仕留めてきたが、

「……」

―沖田さんには本気でいかないと。配慮なんてしている余裕は無さそうだ。

「いきやすぜィ」

台詞とともにグッと迫り、木刀を引き抜く。
―確か剣術は、間合いがどうとか―とにかく距離感を狂わすって。だからこれは、

「てっ――たい!」

構えた銃を降ろし、全力で後ろに下がる。
ヒュンッと空を切る音が聞こえた。
ってか女とか関係なく超本気じゃないですかァァァ!当たり前だけど!!でも怖いわ!!今の当たったらヤバいやーつ!!
心の中で叫びながら体制を整え、1発。それからもう1発、もう1発。当たらない。今度は2発連続。ギリギリのところを木刀で弾かれた。

「っっ!」

沖田さんッ強!!!
正直今までにない強さに震えると同時に、武者震いする。うおお、テンションあがってきましたよ!!
ええと7発撃ったからあと5発だね。いけるかな!
するともう一度沖田さんが接近してくる。ここは一つ勝負をかけて、銃を構えて応戦しよう。そう思い狙いを定め、牽制の1発を打ち込もうとするが――

―カチッ

「―――ゑ!?」

思わず一昔前の日本語が飛び出した。
―じゃなくて、えっ!?えっ!?弾は確かに7発しか撃ってないのに、何でもう弾切れ!?

―――まさか!


―「入れていーか?」
―「勿論!」



あの時かァァァァァァァ!!!
この野郎さては弾7発しか込めてなかったな!?!?

「沖田さんのバカァァァァッ!!」
「バカはオメーでィ、バーッカ!!」


パシーーーーンッッ!



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