18お疲れさま〜
運命の局長対戦でしたが。 結果として。
勝っちゃった☆
「お疲れさま〜祐季ちゃん。かっこよかったよ」 「それ女の子に言う台詞ですかね?でもありがとうございます」 「まぁ本番は次だから」 「ですね」 「ちょっとォォ!!近藤さんも頑張ったよ!?ただ惜しいところで―」 「開始1分で決着とは、祐季ちゃんもやるね〜。流石」 「いえいえたまたまですよ、私なんてまだまだ」 「祐季ちゃんんん!卑下する度傷つく人間がここに!ちなみに君たちの局長とかしてたり!」 「知り合いのストーカーとかしてたり?」 「祐季ちゃん俺の事嫌いなの!?」 「冗談ですよ」
ケラケラと笑い、一休みする。 言うほど近藤さんとの戦いは簡単ってほどではなかったけど、でもまあ、うん。確実に勝てる相手ではあったかな。 最初は何てことだと思ってたけど、戦い進めていくと、なんていうかこう、楽しい。 意外と楽しいもんだねぇ。バーサーカーになったらどうしようかな。取り合えず何となく土方さん殺っとこうかな。
「何となくで上司殺してんじゃねェよ!」 「わああ土方さん心読まないでくださいよー!」 「てめェ心の中だったら何言っても許されると思うなよ…?」 「表現の自由奪わないでください〜」 「土方さんの気力も奪わないでください〜」 「土方さん気持ち悪いです〜その喋り方〜」 「やっぱり〜?気持ち悪い人の真似したからかな〜」 「何だとこらぁぁ!」 「あぁっ!?テメェ表出ろ!」 「上等だァ御免なさい!!」 「いやほんと何やってんの……」
ああもう、土方さんと言い合いしてたらろくに体力回復せず休憩時間が終わってしまったよ。 次沖田さんなのに! ていうか実質一番強いの沖田さんじゃね?「手元狂っちまいやした〜」とか言ってなます斬りされそうで本気で怖いんだが。
「オラ祐季、次の準備しろ」 「はいはいっ。…ってあ、靴ひも」
いつの間にかほどけてしまったらしい。慌てて屈むが、腰に差した銃が邪魔になって上手く屈めない。う、やば、これどうしよ。 山崎さんでもいないかと顔を上げると、
「あっ沖田さん」 「銃持っててやりやすぜ」 「え、本当ですか、ありがとうございます!」 「気にすんなァ」
わあい、沖田さんが珍しく普通に優しい。 言葉に甘え、銃を渡す。それから靴紐を結ぶために屈んだ。
「ん、まだ弾ァ入ってねェんです?」 「あ、はい。まだ入れてません」 「入れていーか?」 「勿論!はい、これが弾です。入れ方知ってます?」 「あんまり」 「んとですね」
一旦紐から手を離し、起き上がって沖田さんの手元の銃を預かる。 ここをこうすると銃創が開くんで、こうして入れてってください。12発入るんで、全部入れてあげてください。そう説明し、頷くのを確認して再び屈む。
なんか超嬉しい。何がって、あの沖田さんが素直に私のお手伝いしてくれたり私の言葉に頷いてくれたり、これが幸せってやつですか。 ドSが大人しく言うこと聞いてくれるって超かわいいいいいいい。
「結べました、ありがとうございます」 「ん。ほらよ、銃」 「どうもですっ」 「んじゃ始めますかィ」 「はーい!」
こんな感じで沖田さんとの対戦はにっこにこの状態で始まった。
――既に相手の戦略に嵌っているとも知らず。
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