04

燭が名前を横抱きしたのだ
『ちょ、燭!?』
足をばたつかせて抵抗するが、あっさりとベットに倒された
続いて、自分もベットに入る
普段も2人で一つのベットだが、寝る時間が違うため顔を合わせていなかった
久しぶりな近距離の燭に心臓がうるさい
心なしか、距離がいつもより近い気がする
そのまま自然に唇が触れる
普段なら一回で終わるのに、珍しく燭が止まらない
息継ぎをしたいのに、後頭部を燭に固定されている
しかたなく意思表示のために燭の胸板を軽く押す
すると、器用にキスをしながら口から耳元へと移動してきた
『あ、燭…耳元は……//』
そんな名前の抵抗を無視する燭
「…久しぶりなのだからいいだろ……」
脳に直接響く燭の声に、意識が飛びそうだ
あぁそうだ、と思い出したように燭が言う
「…いつか、二人で出掛けないか?」
『ぇ……えぇぇ〜!!』
いきなりの提案に燭が抱きついてきているのにも関わらず、飛び上がってしまう。反動でベッドがギシギシと鳴る
『燭…熱でもあるの?』
真顔で聞くと、思いっきり馬鹿にした視線が痛い
「出掛けると言っても、研案塔の庭を散歩する程度だが」
…いや、そこじゃなくて
『で、いつなら空いてるの?どーせ燭のことだから仕事で忙しいでしょ』
「明日は午後に会議があるからな、明後日ならいい」
『うん、じゃあ明後日ね』
「あぁ、もうそろそろ寝るか」
『…まだ私起きてられるよ』
「嘘つけ。さっきから目が閉じそうになっているぞ。もう寝ろ」
そういえば、今日は燭を待つために夜更かししてるんだっけ……
そんなことを考えていたら本当に目が閉じそうだ
「…おやすみ」
意識が飛ぶ直前、燭の声と、唇に何かが触れたような気がした




翌日、普段通り名前が仕事をしていると、何やら外が騒がしい
『……?』
疑問に思い、窓から身を乗り出して見る
『あれは………サー…カス?』
ここからは少し距離がある所だが、時折人が空を飛んでいたり、空が光に包まれたりしているところを見ると、戦闘中の輪【サーカス】の様に見える
ちょうど名前のとなりを研究員が通りかかったので聞いてみる
「あぁ、今連絡がきて、この近くの街で能力者が出たそうなんだ。今、輪【サーカス】が闘っているけど、その内ここも忙しくなると思うよ」
それだけ伝えると、研究員は足早に去って行った
『忙しく………か』
名前の頭に、昨日の燭との約束が浮かぶ
『……ドタキャンとかないよね』
言い聞かせるように言うが、窓の外を見つめる名前に不安の色が隠せない

To be contenued………


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