ありったけの皮肉を込めて
結婚式は寛大なものをされた。
質素な式でいいと何度も告げたのにマークス兄さんが妹の式だぞ!!?と謎の説得とカミラ姉さんのドレスは任せて!!という意気込みにより派手なものになってしまった。
カミラ姉さんやマークス兄さん達より、豪勢な式だったと思う……ちなみにラズワルドさんはマークス兄さんに10時間に及ぶ「カムイを絶対に幸せにする為の1000箇条」を延々と聞かされていた。
兄さんったら……2度とあえないわけじゃないんですから……
そしてそんな結婚式から一年近く経った。
私は懐妊し、しばらく戦場から離れて出産を終えて今日はこうして久しぶりに軍に復帰した日だった。
その手には赤ん坊……私の可愛い娘のソレイユを抱いて、今日は臣下たちに挨拶をしていた。
「見てください、ジョーカーさん。私の……私たちの娘ですよ」
「……っお可愛らしい方ですね……あいつ……いえ、旦那様に似てますが髪色はカムイ様に似たんですね」
「ええ!よろしければ抱っこをしてくれませんか?私は今までお世話になった方にこの娘を祝福してほしいんです」
ジョーカーさんは少し、ためらった後私の腕からソレイユをそっと抱いた。意外なことに彼は赤ん坊の抱き方を心得ており、ソレイユも落ち着いていたが、ジョーカーさんの顔を見て手足をばたつかせて笑った。
「まあ、喜んでるわ。良かったわねソレイユ」
ジョーカーさん抱っこお上手ですね。と言った途端彼の手がソレイユの首を支える手を落としそうになって前言撤回した。
優秀な彼でも不得意な事はあるんですね。
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