神様は残酷



フェリシアのドジは始まりに過ぎないとでも言うのか,オボロに難癖を付けられ、オロチにはカムイ様との相性が最悪といわれカゲロウには謎の禍々しい絵を突きつけられetc…まあとにかく災難な1日だった。あの後カムイ様のお部屋を再び伺ったが進軍についての軍議を王族たちと行っていた為に立ち入ることは出来ず、先に用事を済ませようとした矢先不運の連続に巻き込まれたのだ。
しかもほとんど女性関係だ。女難の相でもでているのか…?

カムイ様が戻られない間に今日は買い出しの当番が回ってきた日だった為、今のうちに終わらせておこうと街に繰り出す準備を始める。ここ星界では貴族だろうが王族だろうが個々の仕事を任される事がある。
それはこの軍の指揮官である我が主の願いだからだ。

それで俺の今日の仕事は買い出しだ。武器や食料などの欠品を補充すべく荷物持ち…ではなく同じく買い出しの当番を任されているタクミ王子の臣下にあたるヒナタが時間を過ぎても待ち合わせ場所へ来る気配がない為俺は先に万屋を見て回ることにした。


「なんじゃジョーカーではないか、縁があるのお」

「よりによってお前かよ…まあいい、祓串の在庫はあるか?」

「確か秋と春がまだあったかの……少々待っておれ」


万屋やの暖簾を潜ると先ほど占いの結果で散々人をからかってきたオロチが店番をしていた。一応仕事をする気はあるらしく店の奥へ俺の頼んだものを取りに向かって行った。

「他に買い出しするものは……」

メモに書かれた祓串に丸印を記してプルフや傷薬等を手に取っていくととある指輪が目に入った。
装飾は控えめだが真ん中に埋め込まれた宝石が光に照らされて輝きを放っている。

(……アイツに似合うだろうな。)

今気になっている女性が浮かび、は、と目をそらす。今は戦時中だぞ何考えてるんだ。
だがカムイ様への思いを断ち切るのに女が欲しいと思っていたのは否定出来ない。オロチがまだ戻って来ないのを見計らいそっとその指輪を手に取った時、店の入口から能天気な声が聞こえた。

「よー遅くなった!ん?何見てんだ?」

「黙れ。五月蝿い。お前には関係ない。」

「三拍子かよ!」

「それよりも遅刻するとはいい度胸だなテメェ……」

「げっ!?オボロよりヤベェ顔になってるぞ……!!」






また後で見に来てもいいかも知れない。




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