03出会い
あの、この学園で生活していく上で、私一つ話しておきたいことがあるんです。」
「なんだ?」
「さっきアリスについて知っていると言ったことです。実は、私が今までいた世界にこの学園について書かれた漫画があったんです。まあ、それが全て正しいとは限らないんですが。」
「な、そんなことがあるのか?でもなぜ?」
「分からないです。ですが、私は偶然というより、必然である気がするんです。これからそれが正しいのか考えながら、貴方たちのお手伝いをさせてください。初校長の真の狙いを阻止するために。」
「そうか。ある程度知っているということだな。そうだ神野、悪いがそろそろ皆を集めてくれ。」
「かしこまりました。」
「で、それはどんな内容だった?」
「あの事件。先生と柚香さんのこと。それから、これから入学してくる、彼らの一人娘蜜柑について。
「なっ蜜柑が?なん 「(コンコン)失礼します。」
「ったくタイミングが悪い奴らだ。入りなさい。」
とゾロゾロ人が入ってきた。
「遅くなってすみません。会議が長引いて…あっこの子が?」
「ああ。自己紹介しなさい。」
「僕は、今年度から生徒会長を務めることになる、櫻野秀一です。久しぶりだね、真弥。」
綺麗な顔、、綺麗な金色の髪、、
王子様みたい、、、
もしかして、、
「秀、、ちゃん?もしかして、、」
「そうだよ。覚えててくれてよかった。」
「でも、、あんまり秀ちゃんのこと記憶にない、、かも、、。」
「(ピキピキ)そう、それは残念。」
んっなんかピキピキって音がしたような、、。
「そうだなあ、記憶が戻ったと言っても、約8年前だし、それに京子の記憶が戻っただけであろう。だからまだはっきりと思い出せてはいないはずだ。とはいえ、お前たちはよく遊んでたけどな、今井と3人で。」
今井、、て、、
「今井昴だ。久しぶり、そしてまたよろしく。」
「よろしくお願いします。あ、私昴くん覚えてるよ!!よく昴くんの眼鏡とって遊んで、、あ、、」
「そうか、真弥は遊んでたというよりいじめてたんだな。全く私の娘はやんちゃだな。ははは。」
((おいおい、はははじゃないだろうここは怒るところ、、校長って相当な親バカなんだな、、))
「ていうか真弥。今井は覚えていてこの僕のことはあんまり覚えていないんだね?!?!」
んん?なんか黒いオーラが、、、
ていうか秀ちゃんってこんな人だったかな、、
「ご、ごめんね、秀ちゃん、あんまり覚えてなくて、、なんせ8年前だし、、」
「そうだな。まあ、この二人は、私達の強い見方だ。何かあれば、こいつらに相談しなさい。私は、校長である以上、真弥と近づきすぎると怪しまれるから。」
「分かりました。でも、たまにはここにも来ていいですか?」
「ああ。勿論だよ。それと、ここにいるのが先ほどの神野、そしてそこにいる目が細いやつが野田だ。2人とも教師としてこの学園に勤めている。2人とも信頼できる仲間だ。」
「はい、そうですよね。よろしくお願いいたします、神野先生、野田先生。」
「よろしくお願いしますね、川崎さん。僕のアリスはタイムトリップのアリスで、君のものと近いから、何かあればいつでも僕を頼ってくれていいですよ。」
ああのだっちスマイルがキラキラ!
「よろしく。先ほどは疑って悪かったな。」
「いいえ、でも他の先生ではなく見つかったのが神野先生でよかったのかも」
「そうだな、この2人以外の教師にはあまり近づかないほうがいいだろう。なんせ、君の小さい頃慕っていた鳴海先生と岬先生もこの学園の教師だから。」
そういえばそうだった、、ナル先輩とみさきち、、懐かしいな、、
またみんなで話して遊んで笑いたいけど、、、
「そうですね、できる限り近づかないようにします。」
しょうがないよね。
「それでだな、ここで生活するにおいて、もう一つ注意がある。まず、名前は#name#友梨で通すこと。アリスは、言霊のアリスだけということにする。次元移動については黙っているんだ。分かったかい?」
「はい、わかりました。」
「それと、櫻野、今井。どちらかに友梨のパートナーをやってもらいたいんだが…。8年も経てば色々変わっているし、生活に慣れるまでは付いていて欲しいんだよ。」
「でしたら、今井くんがいいです。」
なんとなく秀ちゃんは恐ろしい気がするから、、、
「うーーんやってあげたいんだが、僕は生徒会だけでなく、潜在系の総代表もやっていて大変なんだ。だから、嫌かもしれないが、櫻野にやってもらってくれ。」
「ええ!!あ、いやまあ大丈夫です!」
まあ別に誰でもいいんだけどさ、、
「わかりました。僕におまかせください。じゃあ、よろしくね、友梨さん。」
あれ、なんか校長と話してる時はなんかすごいいい子ちゃんみたいな、、
この人二重人格かさては、、
「はあ。よろしくお願いします秀ちゃん。」
「もう小さくないし、秀一でいいよ。というかそっちの方が、、」
「じゃあ秀で。」
なんとなく名前で呼ぶのも気がひけるしね。
「、、、、分かった。じゃあそれで、、、」
こんなんで大丈夫かな?
秀ちゃんなんか怖いし、変だし、、、
「まあまあ。仲良くやってくれよ、二人とも。それから、櫻野、今井。友梨はあの事件の事を知っているらしい。」
「あ、さっき聞こえてました。」
聞こえてたんかーーーーい。その割には入るタイミング悪すぎだろ笑
「そうか。まあでもまずは、この学校に慣れることが先決だな。学校生活に慣れてからそれについてもっと詳しく教えてくれ。とりあえず、せっかくパートナーだし、櫻野に案内をしてもらったら、テストを受けなさい。それで階級は決めよう。」
「テスト、ですか。でも私受験終わったばかりなんで余裕ですよ。」
「受験??って大学受験?」
秀ちゃんと昴くんが目を丸くした。
「ああ、そうだった。友梨は本来なら専科の歳なんだが、それだと周りに誰もいないから、高等部三年生として入ってもらう。」
「そ、そんな、、、」
せっかく受験が終わったと思って羽を伸ばせるはずだったのに、、、
「すまないな、でもわかってくれ。君を守るためなんだ。もう私の大事な人を失いたくはないいんだよ。」
お父さん、、
きっとこれまでなんども大事な人を亡くして、何度も辛い思いをしてきたはず、、
悪いことなんてなんにもしてないのにね、お父さん。
「わかりました、テストでもなんでもどんとこいです!!!!」
「頼もしいな」
「さ、それではとりあえず、この学園を案内しますよ。行きますよ。」
「はーーーーーい。」
そんなこんなでアリス学園での生活が始まろうとしています。
この数時間でいろいろなことが起こりすぎて死にそう、、、、、
だけど、なんとなくやる事が見えてきている。
お父さんは私のこと守るって言ってくれたけど、私だって彼を、友人を、そしてこれから来るであろうあの子のことを守っていかなければならない。
そのためにもっと強くならないといけないな、、、、、
学園案内中)
「なあ、友梨さ、さっき僕のこと黒いとか恐ろしいとか思ってたでしょう?」
「え、なんでわかる、、の?」
「そりゃあ僕のアリスはテレパシーだからね。」
そーうだった!!!
なんか思い出してきたぞ。
それでよくいじられて、、、、
「あああああああ!!!!それで、私がなる先輩のこと好きだったの知って、秀ちゃん先輩にバラしたんだった!!!!うわ、最悪な思い出思い出してしまった、、、」
「はははははそんなことあったな。まあ、確かにあの時はすまなかったな。ただの嫉妬だよ。」
なんてことをさらっといいながら頭ぽんぽん。
そうか。こいつは女慣れしているのか。
私なんて恋愛経験浅すぎてこんなことくらいで顔赤くなっちゃうよ、、。
「あれ、そっぽ向いてどうしたの?あれ、顔赤い?」
とか言いながら頬に触れる。
うわ、こいつ確信犯だ絶対!!!!!!!
もういや話を変えよう。
「ちょっと、ここ本当広すぎ。自転車とかないの??」
「アホか、どうせこれから毎日歩いて通うんだから我慢しろよ。」
「えええ、そうなの??あっそういえばさ、今も授業あるの?春休みとかないの?」
「ああ、今は春休みだよ。だから、今から行くセントラルタウンなんか混んでるだろうね。」
「えー。人混み嫌いー。」
「文句言わない。さ、こっからバスだ。」
「えー。並んでるー。」
なんかみんなジロジロこっち見てるし。
そりゃそうだよね。
あれか、きっと彼はモテモテの王子的存在なのかもしや。
だったら、知らないヤツが櫻野王子の隣にいるんだもんね。
そりゃジロジロ見られるわけか。
最初から目つけられるとかあり得ないでしょ。
「ねえ、今日はやめない??人多すぎて、人酔いしそう、、。」
「そう、それなら戻ろうか??」
「うん!」
「さ、友梨次行くよ。」
その後、秀ちゃんは中等部、初等部、本部とざっと見て説明してくれた。
そして、再び高等部へ戻ってきた。
「戻ってきたのか。じゃあ、テストを始めるから席につけ!!」
「え、なんで神野先生なの?」
「文句あるのか?」
メガネの端がキラーンってして、怖かったので
それ以上何も言えないのであった。
この人は味方じゃないのか?
なんでこんなにオーラが怖いのかしらね?
「じゃあ始める。時間は全教科で3時間。よーい、はじめ。」
何これ。超簡単じゃない。
受験でやってきたのばっかり。
「終わりました。」
「もう終わったのか?まだ一時間半しかたってないぞ。」
「簡単でしたから。」
「なっ。」
丸つけをする神野先生。
「…全教科満点だ。」
「やったー。じゃあ私階級なに?」
「そうだなその点数ならスペシャルでも文句なしだが、まだ川崎はアリスが安定しないだろう。パートナーと練習してうまく使えるようになればスペシャルにしてやる。だから川崎は星三つからだな。そうだ、それと、生徒会に入れろと言われたんだ。」
「生徒会?最初から?そんなの、目つけられるでしょ!」
「だが、櫻野と今井は生徒会なんだ。川崎が生徒会に入らなければ、放課後の時間が空いて危険なんだ。だから、入った方がいいんだ。」
「そういうことなら、分かりました。」
はああああついに始まるのかああこの生活。
そういえば、前の世界のこと忘れてた。
お母さんとお父さん元気かな?
生みの親じゃないってことは容姿として育ててくれたんだよね?
それに友達も、、、
ていうか、騒動になってないかな?急に私がいなくなって!!
「それは大丈夫だ。」
「うわああっびっくりしたなあ急に話しかけないでよ!!で、大丈夫ってどういう意味よ?」
しかし、やっぱり慣れないな。こんなに簡単にテレパシーで読まれたら普通に生活できないっつの。
「アリスがない世界では、その存在がいなくなれば忘れられる。」
え、、、忘れられる、、、?
あんなに本当の娘みたいに育ててくれたお母さんとお父さんに忘れられちゃうの?!?!
そう思うと一気に涙が溢れ出した。
「そうだな、かなり辛いことだと思う。でも、友梨の頭の中に2人がいる限り、また会えるだろうし、会えば思い出してくれるかもしれないだろう。さっき奇跡が起こって記憶がお前の中に戻ったように、また奇跡が起こるかもしれない。しばらくは辛いかもしれないけど、まあ俺たちがいるし、楽しくしていたら大丈夫。だから、今はとりあえずこの生活に慣れることに集中しろ、な?」
「秀ちゃん、グスッ、、なんかキャラ違う笑」
「なんだよ、せっかく慰めてやってんのにさーー。」
と言いながらぷーっと頬を膨らます秀ちゃん。
なんだ、かわいいとこあるじゃない。
「ふふっありがとう秀ちゃん!!」
少し彼にもなれた気がして、なんだか嬉しくなって、笑顔で感謝した。
「//べ、別になんてことはない。さ、日も落ちて暗くなってきたから今日はもう寮に行こう。連れて行ってあげるから。」
秀ちゃんのおかげでなんとなく落ち着いた。
その日はぐっすり眠れたとさ。
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