02驚きの事実
ついて来いと言われたのはいいけど、どこまで歩くんだーーーーー
さっきから2つか3つくらい建物を通り過ぎたよ。
この学園広すぎ!!!!!!!
「さ、ここだ。お前はしばらくここで待っていろ。」
「はい。」
なによもううううう。
ここどこかな?
でも、初等部ではなさそうだから安心。漫画の中の初等部校長恐ろしいからなああ。
「おい、川崎、こっちだ。」
「(コンコン)失礼します。」
さあここはどこだろうか、、。
「入りなさい。」
ガチャッ
………へっ?
「ありがとう、神野。こんにちは川崎友梨さん。」
「随分と驚いているようだね。私は、この学園の高等部校長の行平一己だ。」
やばい。なんだこのイケメンは。かっこよすぎるっつの。
いや、てか人間離れしてるよ、こんな美しい顔はなかなか一生のうちに出会えないって!
「、、って、え、なぜ私はここに?」
「実は君がこの学園にきた理由は、私が関係していてね。これからいろいろ話さなくてはならないことが山ほどあるんだ。かなり混乱してしまうかもしれないが、聞いてくれるか?」
校長が関係してる…。どういうことだろう。
「はい。」
「さ、じゃあそこに座って。」
「あ、はい。」
なんか緊張した空気、、。
ちょっと怖いな、何言われるんだろう。
「…君がここへ来たのは、まあ私が君を呼んだ、とでも言おうか。」
「……え?」
「実は、君はもともとはこちらの世界にいたのだ。そして、君は私の娘…なんだ。君の本名は、行平 真弥だ。」
………娘?
私が、高校長の…娘?
クラっ
「おっと!」
ガシッ
「川崎、大丈夫か?」
「すいません。ちょっと訳が分からなくて。あの、、え??私が校長の、、むす、、め?」
「すまない。混乱するのはわかっていたのだが、君がこの世界に来た以上、言わなければもっと危険なことになりかねないのだ。」
「いえ、大丈夫です。その話全て教えてください。」
「…実は、君は10歳の時までここにいたんだ。そして、アリスを持っていた。言霊のアリスだ。」
「私がアリスを?それってどんなアリスなんですか?」
「そうだな、ものや人、なんでも君が言った通りに動くんだよ。要するに、この世にあるすべてのものをコントロールできる、と言った方が分かりやすいかな。」
「なんか、凄いですね。」
「そうだな。その頃は幸せに、何より自由に暮らしてたんだ。」
と目を細め、遠い昔を見るように、校長はとても幸せそうな顔をしていた。
「だが、成長するにつれて君のアリスは強さを増し、制御するために4つもピアスをつけさせられた。それから、その能力の強さにある人に目をつけられるようになった。」
私のアリスが、、強くなる、、なんだか話が唐突すぎてわけがわからない、、、
「困惑しているね、、すまない。大丈夫か?」
「はい、でも話ききたいです。続けてください。」
校長はふうっと呼吸を整えると、こう言った、、、
「そして、君にもう一つのアリスが現れるんだ。次元移動のアリス」
「次元移動…。」
「ある人がこの世界だけではなく他の世界にも行けるとわかり、全てを支配したい気持ちが生まれたのか、君のアリスに興味を持ち、君のアリスが使われそうになった。元々のアリスもあり、君は完全にある人の’お気に入り’になってしまいそうになったんだ。だから、私たちは君が事故で亡くなったことにして、他次元に行かせたんだ。」
ある人ある人ってさっきから、、、
これってもしかして、、、、
「さっき突然この学園に来たのも君のアリスだよ。」
「え、でも私それまでにそんなアリス使ったことないです。アリスって子供の頃にわかるものですよね?」
「そうだが、君はアリスのことを知っているのか?記憶は全て取ったはずだが、、。」
「いえ、ちょっと向こうの世界で知ったんです。それについては後ほど話すんで、、、なぜ私はアリスを持っているにもかかわらず、この年まで発動しなかったんですか?」
「それは、アリスの発動を止めるアリスを君にかけたからだ。君の18歳の誕生日の日までな。」
「え、ってことは、、、」
「ああ、今日がその誕生日だ。だから、私は実にこの日を楽しみにしていたんだよ。まさか君が茂みに落ちてくるとは予想していなかったがな笑」
「あはは、、。あれ、もう一つ質問です。私に父がいるということは、もちろん母もこの世界にいるんですよね?」
「実は、私の妻、京子は、君がここを去って2年後に他界した。彼女は病気を患っていてね。」
「そう、だったんですか、、」
「そうだ。それから私はまた一人になった。」
実の母、生みの親が死んだ。記憶がないから当たり前だが、思い出せない。だから、何が何だかまたくわからない、、、。
けど、なんかこの人はとっても悲しそう。それだけはすごいわかる。
「校長、私が昔の記憶を思い出す方法はないんですか?」
「実は、一度忘れたさせたものは戻らないんだよ。まあ、可能性はないでもないが。」
と言って校長はなんやら石のようなものを取り出した。
「これは、、アリスストーンですか?」
「ああ、京子のアリスストーンだ。彼女のアリスは記憶のアリス。どんなことでも記憶してしまうアリスなんだ。これに触れてみなさい。もしかしたら、、、」
彼が言い終わる前にその小さく、アクアマリンとひまわりのような黄色の美しいアリスストーンに触れた。
すると、一気に映像が頭の中で流れ出した。
笑顔で笑いあう3人家族、、。これが私と校長と、、、、京子さん。そうだ、私のお母さん、、
他にも、友達や先生などたくさんの記憶が戻ってきた。
「お父さん!!!!!」
と言って校長に抱きついた。
「真弥!!!!思い出したんだな。」
と言ってきつくきつく抱きしめてくれる。
「もう、悲しむことはないよ、お父さん。私がいるから!!!!!」
「真弥。ありがとう。そしておかえり。」
「ただいま!!!!!」
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