「―――――え?」
突然の言葉に、俺はただただ目を丸くしたまま、声が出なかった。
急になぜ彼女がそんなことを言うのかわからなかった。
ミサラの肩に手を置いていたが、それが彼女により外された。
「…ごめんなさい、もう忘れて。二度と、此処へは来ないで。」
ただそれだけを俺に言い残し、彼女は俺の前から消えてしまった。
初恋は実らない。
そんな言葉があるのはしっていたが、理由も聞かされずに、一方的に別れを告げられてしまったのだ。
砂に確認しに行けるはずもない。
条約で交際は禁止されていたから。
ただただ茫然と立ち尽くすしかなかった。
カカシは勿論知る筈がなかった。
―――――彼女がカカシとの子を身籠っていた事なんて。
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