Silver hourglass | ナノ


03  










「―――――え?」







突然の言葉に、俺はただただ目を丸くしたまま、声が出なかった。

急になぜ彼女がそんなことを言うのかわからなかった。


ミサラの肩に手を置いていたが、それが彼女により外された。






「…ごめんなさい、もう忘れて。二度と、此処へは来ないで。」






ただそれだけを俺に言い残し、彼女は俺の前から消えてしまった。





初恋は実らない。
そんな言葉があるのはしっていたが、理由も聞かされずに、一方的に別れを告げられてしまったのだ。



砂に確認しに行けるはずもない。
条約で交際は禁止されていたから。




ただただ茫然と立ち尽くすしかなかった。





カカシは勿論知る筈がなかった。










   ―――――彼女がカカシとの子を身籠っていた事なんて。






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