10/03/08〜10/05/17
キラー
ラプンツェルロック
「キラー、なんでそんなに髪を伸ばしてるの?」
甲板に座って得物の手入れをしていて、ふと気になって聞いてみる。
目の前で同じく作業しているキラーは一旦手を止めて私を見た。
「……さァな。覚えていないから、あまり意味は無いと思うが」
肩をすくめたキラーはまた手を動かし始める。
「ふうん……でも、それにしても見事な金髪よね」
「そうか? おれはお前の髪の方が綺麗だと思うが」
下を向いているから表情は不明だが(そもそもマスクだから分からない)、今のはキラーの率直な褒め言葉なのだろう。素直に受け取っておく。
「ね、触ってもいい?」
「……髪を、か?」
「うん! 駄目?」
「……別に構わないが……」
わざわざ触る程のものでもないとキラーは云うけれど、構わずに嬉々としてキラーの背後へ回って、眩しく輝く金髪に指を絡めてみた。
「わ、思ったより柔らかい! いいなー気持ちいいー」
その感触に夢中になって触り続けていると、始めの内は大人しく得物を磨いていたキラーが暫くしてソワソワし出した。
「ん、嫌?」
「いや……そうじゃないんだが――」
「?」
キラーは云いにくそうにしながら私の方を振り返った。
「その、何だ……妙な気分になってしまうので、な……」
「みょっ……!」
その言葉の意味に、サッと顔を赤らめると、何だかキラーが悪戯っぽく笑った気がして顔を上げる。
「続きは……おれの部屋でしてもいいが?」
なァ、と髪を弄っていた私の手を取ると、もう片方の手には私の髪を絡める。
そんなキラーに私は何故かコクン、と頷いてしまったのだった。
Fin.
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なんか微妙にシモに走った拍手SSになってしまいました! このお話の続きが読みたいとコメント頂きましたが、完全に裏系になると思うんですよ。書く勇気が無いです。
次ページは「ドフラミンゴ」です。
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