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005

ブルマさんに「夕飯食べて行くでしょ?」と誘われて外を見れば、すっかり太陽は沈んで真っ暗だった。こうなったら意地でも待ってやると思い、お誘いに頷いた。


「あの子、本当に遅いわねー」


すっかり料理の準備も整ったのに帰って来ない彼にブルマさんが心配気に言った時、電話が鳴った。


「はい。あ、トランクス?……え、ちょ、あんた!あ、切られた!」

「ブルマさん?」

「あー、First name。ごめんね。トランクス、今日、孫くんの家に泊まって来るって……」

「……」


目の前がシャットアウトした。学校をさぼってまで来たというのに、私は何て運が悪いのだろう。もう、そういう星の下で生まれたとしか考えられない。

俯いて黙りこくってしまった私にブルマは困ったようにベジータを見、その視線を受け取ったベジータは舌打ちして立ち上がった。


「ちょっ、ベジータどこ行くのよ!?」


ブルマの声に応えることもなくベジータは部屋から出て行ってしまった。

ところ変わってパオズ山の孫家。辺りは暗く静まり返っているというのに、そこだけは明るく賑やかだった。


「トランクスくん!どうだった!?どうだった!?」

「もちろん、オッケーだぜ」

「わーい!やったー!やったー!お兄ちゃーん、トランクスくん、今日泊まっていけるって!」


瞳をギラギラさせて、わざわざ伝えてきた弟を悟飯は抱き止めた。


「ビーデルさんも泊まって行くってさ」

「本当!?わーい!ねぇねぇねぇ、トランクスくん!ビーデルさんも泊まって行くんだって!」

「聞こえてるよ、悟天。お泊まりぐらいでガキだなぁ」


そう言ったトランクスも内心は、とても嬉しそうで素直じゃない彼を見て悟飯は苦笑した。


「でもなー」


夕飯の支度をするビーデルとチチを背に男達は、既にテーブルに着いている。そんな時、何やら不満気な声を上げたのはトランクス。


「どうしたんだい?トランクス」

「……いや、別に」


トランクスは、じっと悟飯を見た後首を横に振った。彼が、悟飯やビーデルと同い年の彼女がここにいたらもっと楽しいのにと思っていたなんて誰も知らない。


「おっ」

「これは……」


逸早く気付いたのは悟空だった。そして悟飯が訝しげに眉間を寄せる。幼い二人が何だ何だと気を探ったら一方の少年が青冷めた。


「げ、何で!?」

「トランクス、お前ブルマに許可取ったんじゃなかったのかぁ?」


呑気に言う悟空の言葉にトランクスは、そう言えば一方的に伝えてしまい、切る直前に母が何か言っていたようなと思い出す。

そんなこんなで、あっと言う間に気が近付き、扉が開いた。


「邪魔するぜ」

「よぉ、ベジータ。お前も食ってくかぁ?」

「フンッ、カカロット今日は貴様に用はない。おい、トランクス!」

「ヒッ、は、はい!」

「帰るぞ」

「え、でも……」


ちらりと悟天の顔を窺っているトランクスにベジータは舌打ちし、首根っこを掴み上げた。


「わっ!パパ!?」

「邪魔したな」

「おぅ、また来いよ!」


始終呑気な悟空以外は皆、呆気に取られてしまった。トランクスをわざわざベジータが迎えに来るなんて何事だと……。

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