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004

ブルマさんが仕事に戻ってしまい広すぎるリビングで私は一人、我が物顔でソファーに寝転がりテレビを見ていたら扉が開いた。ひょっこりソファー越しに顔を出したら、筋肉ムキムキの方がいらっしゃった。


「あ、ベジータさん。お邪魔してまーす」

「チッ、お前か……」

「はーい、お前でーす。ベジータさんはトレーニングですか?」

「あぁ」


冷蔵庫から水を取り出して飲んでいる姿はダビデ像並みの美しさだ。相変わらずマッチョ。

私は横になっていた体を起こして、ペタペタと近寄り、ペタペタ触った。ベジータさんの胸筋。


「てめぇ、毎度毎度、何しやがる!」

「ぎゃっ!」


短気なベジータさんの拳を命懸けで避ける。


「避けるんじゃねぇ!」

「無理無理無理!避けますから!」

「何してるの、あんた達!」


ぎゃあぎゃあ騒いでいたらブルマさんが仕事を終えて戻って来た。その声に私とベジータさんは、びくりと固まる。


「First name?あんた、人の旦那にまで手ぇ出す気?」

「まさか!ベジータさんなんかより、ブルマさんのが良い!」

「なっ!?」


ベジータさんから離れてブルマさんに抱き付いた。直ぐ様ベジータさんに引き離されてしまったが。


「むぅ、なんだなんだ皆して」


私は再びソファーに戻って膝を抱えた。


「First name、ずっといたの?」

「だって……」


何だか無性に会いたくて、会いたくて、切ないんだもん。

毎日毎日、あんなラブラブな二人を見せ付けられたら寂しくなる。一人だって分かってる家になんか帰りたくない。


「あんたは、本当ひねくれた子よねぇ」

「知ってます」


隣に腰を下ろしたブルマさんに、ぐしゃぐしゃ頭を撫でられた。


「まったく、あの子も何してるのやら……」

「……」


早く帰って来てよって心の中で呟いて額を膝に押し付けた。

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