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003

最近ビーデルは、しつこい。自分に彼氏ができたからって私にまで押し付けないで頂きたい。


「First name、彼氏ぐらい作りなさいよ」

「どう思う?悟飯くん」

「え、僕、ですか?」

「自分が幸せいっぱいだからって、私にまで幸せを強要してくる、君の彼女」

「え」

「ちょっと!何言ってるのよ、First name!」

「だってさー」


彼氏とか、めんどい。


「学校の男子には全く興味ないみたいだし、もしかして既に彼氏いたり……」


何を言い出すんだ、ビーデル。私はビーデルさんに冷めた視線を送った。


「どうなの!?」

「あぁー、あ。結婚しようって言われた」

「はぁ!?」

「えっ!?」


私の言葉に期待通りに驚いたリアクションをしてくれた二人。実に楽しい。


「じゃ、ダーリンが待ってるんで」


私はコーラを飲み干して呆然としている二人を放置し、中抜けした。

愛車に乗って向かうのは自宅を通り過ぎて隣のお家。私の家とは月とスッポン並みの差があるそこで停まった。


「First nameでーす」


インターホンから聞こえてきた電子的な声に名前を名乗れば直ぐに開門された。愛車に乗ったまま中へ向かい、やっと辿り着いた建物の前で降りる。

自動で開いた扉に「お邪魔しまーす」と呟きながら家の中へと入って行った。やっと迷子にならないようになった私は目的の場所に容易に辿り着いた。


「こんにちはー」

「あら、First name。いらっしゃい」

「ブルマさん、今日も素敵ですね」

「あんたねぇ、若い女の子が、私なんか口説いてどうすんのよ」

「あはは、事実を言ってるまでですよー。あれ?ダーリンいないんですか?」


ふわふわのソファーに座っても扉が開かない。いつもなら、すぐに来るのに。速い時は敷地に入った瞬間、目の前に来る時だってある。


「そうなのよ。悟天くんのところに遊びに行っちゃって」

「なーんだ残念。せっかく学校抜けて来たのにー」

「あんた……」


呆れた顔されてしまった。酷い、ブルマさん。ブルマさんだって学生時代は、そうだったくせに。


「私は真面目に行ってたわよ」

「はい、嘘ー」


両親が私を任せたお隣さんとは、あのカプセルコーポレーションの社長、ブルマさんだ。小さい頃からブルマさんに可愛がられていた私は、歳の離れた彼女を姉のように慕っている。

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