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- ナノ -
018

トランクスのまだ起ききっていない頭が、一瞬にして清明になった。


「First name?」


彼女から発せられていた弱い気が揺れた。

トランクスは目にも止まらぬ速さで彼女が寝ているであろう部屋へと駆けた。


「First name!」

「……ッ、トランクスくん!」


彼女の声は震えていた。泪混じりの声に驚いたトランクスは彼女の前にいた人物に顔を向ける。どういう状況か分からずも、この人物が僕の大切な彼女を怯えさせている元凶だということだけは分かった。


「トランクスくん……助けて」


救いを求められ、僕はその人物を押し退けるように割り込み彼女を護るように背を向けた。


「トランクス」


参ったなと苦笑しているその人物に、ぽかんとした。

あれ、何で?


「にいちゃん?」

「やぁ、トランクス。久しぶりだね」


そこには見知った青年が困ったように頭を掻いていたのだった。

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