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- ナノ -
05

屋根の上に二人と一匹はいた。茜色に染まる空を眺めて、三つの影が伸びる。


「明日、任務?」

「おぅ、お前は?」

「私もだよ」

「明日の任務は、少しは手応えある任務だと良いぜ」

「あはは、そんなこと言ってるとヘマするよ」

「しねぇよ!な?赤丸」

「わん!」


元気よく返事をした赤丸を二人は撫でた。二つの手を気持ち良さそうに受け入れる赤丸。赤丸は二人が大好きだった。


「紅先生、美人だよね」

「またそれかよ」

「この前、偶然お団子屋さんで会ってね、ご馳走してもらっちゃった」

「まじかよ!?聞いてねー」

「あはは、私がキバと仲良しだって言ったら驚いてたよ」

「なんだよ、それ」


ちょっとむくれたキバの心境を赤丸は知っている。仲良しなんて言葉じゃすまされないほど、二人は仲良しだから。


「怪我、すんなよな」


キバが、そっとFirst nameの手に自分の手を重ねた。赤丸は寝たふりをする。


「キバこそ、いつも擦り傷だらけじゃん」

「俺は良いんだよ。でも、First nameはダメだ」

「そうなの?」

「あぁ」


重なっていた手が離れ、キバの手がFirst nameのフードを外す。


「どうしたの?」

「……、あいつらも、First nameの顔見たんだろ?」

「そりゃあ、同じ班だしね。ずっとフード被ってるわけにもいかないし」

「むかつく」


キバの指がFirst nameの頬を掠った後、そのまま腕を肩に回し、ぐっと引き寄せた。


「ちょっ、苦しいよ」

「知らねえ」


First nameの首筋に顔を埋め、鼻をくんくんさせるキバ。まるで犬だ。


「ん、良い匂いするぜ?」

「んっ、汗臭いの間違いでしょ」

「いや、First nameはいつも美味そうな匂いだ」

「……ッ」


美味そうだと言ったキバはFirst nameのパーカーとタンクトップをずらし、そのまま首筋に噛み付いた。


「んっ、い、たいよ……ッ」


発情期に突入したらしい犬は止まらない。噛み付いたそこを今度は、じっとり舐め始めた。


「んあっ!」

「あぁ、うめぇ」


満足気に唇を離したキバは、頬を紅情させたFirst nameをうっとり見つめ、今度は唇に噛み付いた。

起きるタイミングを失った赤丸は、淫らな音を聞きながら困り果てたのだった。

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