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- ナノ -
04

「え、え?Family nameさん?」

「あ、火影様のところのピンクちゃん」

「サクラです!」


宿場で待っていたのはシカマルのスリーマンセル仲間の春野サクラと……。


「俺、うずまきナルトだってばよ!なぁなぁ、おばさんたちは何の任務で」

「しゃんなろー!!」

「ぐふっ」


金色の青年、うずまきナルトくんが乙女の鉄槌を受けた。


「おばさん、あぁ、そうね。もうおばちゃんかー」

「ひー!ひっひっひ!」

「え、リツ、その奇妙な爆笑は何?なんなの?」

「おば!おば!ひっひっひ!」


お腹を抱えて爆笑するリツにシラっとした視線を向けて私は宿場の主人に声を掛けた。


「え、まじかー。リツ、ってまだ爆笑中?今夜野宿コースなんだけど」

「ひー、え、マジっすか?」


リツの笑いがピタリと止まった。


「まじ、大真面、部屋ないって」


「うそー」と肩に顎を乗せてきたリツの頭を退ける。


「仕方ない、他の宿に」

「Family nameさん、一部屋で良ければ使って下さい」

「え?いいの?ピンクちゃん」

「サクラですけど。えぇ、私たち各自一部屋ずつ取ったんですけど、ナルトとシカマルは同室にしますから」

「えぇえええ!シカマルと一緒かよー」

「諦めろ」

「Family nameさん私と一緒で良いですよね?それで鈴音さんが一部屋使って頂ければ」

「え?良いよ。私たち一緒で。ね?リツ」

「はい、いつも一緒の部屋ですもんねー」


嬉しそうに抱き付いてきたリツに苦笑しながらも、彼の髪を撫でた。


「あ、そう言えばシカマルくん。ナズナは元気?」

「ナズナのねぇちゃんなら元気だよな?この前も俺団子奢ってもらったんだってばよ」

「え、うずまきくん。ナズナはねぇちゃんなの?」

「ナズナねぇちゃんだってばよ?あんな綺麗なねぇちゃんがシカマルの恋人なんて俺今でも信じらんねぇってばよ」

「あー、そう、美しさの違いか」


First nameの目は死んだ魚のようだ。


「ひーひっひっひ」

「おば、じゃなかったってばよ……。First nameねぇちゃんは、ふがっ!?」

「もうナルト喋んな」


見かねたシカマルがナルトの口を塞いだ。


「じゃあね、シカマルくん。あ、一応二人にもさっきの伝えといて。巻き込んだら大変だし」

「それ、巻き込む気満々すよね」

「そんなことないよー、じゃあねー」


ひらひらと手を振り部屋に向かおうとした時、リツがくるりと背を向けてうずまき青年に近付いた。


「なぁ、坊主」

「ぼーず?俺ってば」

「次、俺の女のことババァなんて言ったら殺すから」

「ひっ……す、すみません」


あぁ、私、愛されてるな。


「First nameさん、行きましょう」


そっと指を絡められた。


「ねぇ、リツ」

「はい?」

「……ババァとは言われてないよ?」

「同じでしょ?あーまじイラッとしたー」


スッキリとした顔のリツに、あぁ、さっきのはそういう笑いだったのかと納得した。

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