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05

久しぶりの布団。慣れてしまえば地面だろうが木の上だろうが、何処でも寝れてしまえるFirst nameであるが、やはり畳の上に敷いた布団で寝る心地良さに勝るものはない。

だから、気合を入れて寝ようとしたのだが。


「……リツ?」

「ん?」

「ん?じゃない。眠たいのだけど」

「えー、久しぶりの布団じゃないですかー」

「だからこそでしょーが」

「むー、だってFirst nameさん外は嫌って言ってもうかれこれひーふーみー、一週間もご無沙汰ですよ!」

「もうそんな若くない」

「俺はまだ若いっすから。てなわけでー」

「ちょ!うわ!」


すりすりと浴衣の襟口に鼻を擦り付けていたリツが離れていったと思えばあっという間に、私の上に馬乗りに。そして……。


「いただきます」


なんて両手を合わせ仕った。


「ん、あ、や、リツ」

「First name、はぁ」


リツが恍惚した顔で溜息を吐いた。

言葉とは裏腹にいつも優しく労わるように私が怖がらないように、怯えないように、反応を一つ一つ丁寧に拾いながら前戯をするリツ。私が本気で嫌と言えば、リツはしない。リツは私が傷つくことは絶対にしない。

その安心感からか、あの私を何度も殺した行為が今では快感を知り、リツを受け入れる。


「First name、First name、もう良い?ねぇ、良い?」

「うん、うん、リツ、リツ」


キテ。

自身のそれを秘部に何度も擦りつけ、どちらのともわからない愛液で、お互いのそこがテラテラの光だしたころ、リツが堪らなくなって縋るように言った。

普段First nameのことをFirst nameさんと呼び、砕けながらも敬語を使うリツであるが、体を交じり合わせる時だけは、First nameを呼び捨てにし、言葉遣いも本来のものになる。

それがFirst nameは嬉しく、それだけで、First nameはいつも胸を高鳴らせ、濡らしていた。


「あ、あ、大っき、いつもより、ぅあ」

「……ッ、First name。力抜いて。うっ、あ!やば!」

「ひ、あっ、んぁああ!?」


突如、First nameの中に勢い良く注がれたそれに、First nameの膣はより締まり、First nameもそのままイッてしまった。


「あ、あ」


びくびくと痙攣し、脱力したFirst nameにリツは悔しそうに顔を歪めた後、目を閉じてしまったFirst nameの腰を掴み、まだ半分しか入っていない自身を一気に突き立てた。


「きゃっ!?……ッ」

「くっそ、不覚。入れただけで射精するとか、俺は童貞か!あー!まじ、寝かせねぇ!」

「や、ちょっ、やだ!リツ待っ……ッ」


自己嫌悪からかイッたばかりで敏感なFirst nameの膣を突き上げる。精液で滑りの良くなったそこは容易にリツを受け入れ子宮まで導いた。


「うわっ、First name、良いところ当たってる。気持ちいい?First name、ねぇ、気持ちいい?ねぇ、ねぇってば」


ぞくりとした。

久しぶりの情事だから、昂っているリツはいつもよりも激しく、そして、荒々しい。

First nameは快感に耐えるために自然と閉じていた目をうっすらと開いた。


「や」


そこには、ただ腰を振る男がいた。



「や、リツ、リツ!」


目が合わない。ただそれだけで押し寄せる不安の波。

誰を想って、今、その目にはいったい誰を抱いてるの?

そんな分かりきった不安まで浮かんで仕舞えばもう末期だ。


「……ふっ……ッ、あ、リツ。リツ、リツ、どこ、リツッ」


快感が消えた。押し寄せて来た不安が恐怖へと姿を変える。脳裏に映った銀色の髪に、真っ暗な冷えた目に、身体中の熱が引いた。


「あ、や、やぁあああ!」

「……ッ、First name!?」


がくがくと震えるFirst nameにリツがハッとしFirst name見た。快感に呑み込まれていたリツは漸くFirst nameの異変に気付く。


「やだやだやだやだやだ、リツ、リツ、どこ」

「First name、落ち着いて。ごめん、ここにいる。俺はここにいるから。First name、目を開けて」

「……ッ、リツ」

「ごめん、First name。大丈夫、俺はここにいるよ。今、愛し合ってるのはFirst nameだよ」


優しく、優しく、まるで子供を宥めるかのような暖かい声でFirst nameの耳元で囁く。そして自身の入ったままのFirst nameの腹をそっと撫でた。

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