02
今回もまた随分と長く里を離れてしまったな。私、いつから長期専門になったんだろ。そんなつもり全くないのに。
「First nameさーん!」
「んー」
少し休憩だと立ち寄った団子屋で、高い空を見上げならがそんなことを考えていれば、ちょっと情報収集してきますとどこかに姿を消していたリツが戻ってきた。
「First nameさん!」
「うわ!リツ、びっくりしたー」
「もう、First nameさん。あとは帰るだけですけど、気抜きすぎですよ。里に帰るまでが任務っていつも言ってたじゃないっすか」
「がーん、リツに言われるなんてショックだ。寝込む。よし、今日はこの辺で」
「はい、だめー。次の宿場までダッシュ!」
「えぇえええ!次って超遠い、っておい!待ってよ!」
さっさと走り出してしまった相棒の背に私は慌てて残りの団子を頬張った。
「ごちそうさま!おばちゃん、お代ここ置いとくね!」
荷物を担いで駆け出した頃にはもうリツの背はほとんど見えなくなっていた。
「もう!置いてかないでよ!」
タッと地面を蹴った。その背を怪しげな人物らが見送っていたとも知らずに。
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