01
強い女だと思ったんだ。
その背中は強く、強く、強く。強くあろうとすればするほどに、諸刃の剣のような弱さが垣間見えて。なんて弱い女なんだろうと思ったんだ。
「カカシ先生」
「ん、なぁに?」
「近々First nameさん戻ってくるみたいっすよ」
「……シカマル、お前もなかなか言う男になったよね」
「そうっすか?それにしても今回も随分長い任務でしたね」
「……そうだな」
強い女だと思った。でも、あぁ、やっぱりこの女は弱かったと思った時、なんだかホッとしたんだ。
ナルトやサクラみたいに真っ直ぐ前を見る眼差しと違って、自分の弱さを知り、それでも欺くように虚勢を張っている彼女に。
俺は、恋をした。
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