008
トランクスとテレビゲーム三昧な休日を過ごしている私。19勝19敗で大事な一戦を行っていた時、シュタッて効果音と共に誰かが現れた。
「え、え?」
「あ、おじさん!」
「よぉ、トランクス元気にしてたかぁ?」
「うん!どうしたの今日は?」
「いやぁ、ちょっとブルマに用があるだけどよぉ」
「フンッ、ブルマなら今仕事で出てる」
「お父さん!」
いきなり現れたおじさんと親しげに話すトランクス。そして、いつの間にか部屋に来ていたベジータさん。何が何だか話しに付いてはいけないが、今がチャンスとばかりにコントロールの失ったトランクスのキャラクターを、ぼこぼこにしてやった。20勝19敗、これで私の勝ち決定だ。
「げっ、First name、ずっりー!」
「ずるくなーい。勝負中に余所見してるトランクスくんが悪い」
「なっ!」
子供にだって容赦しません。どうぞ大人げないと罵って下さい。
「ははっ、面白い奴だなぁ。誰だお前?」
「え、おじさんこそ誰ですか?てか、今どうやって現れたんですか?瞬間移動みたいじゃないですか」
「あぁ、悪い悪い。オラは孫悟空だ。その通り、瞬間移動で来たんだ」
「え……」
冗談なんて言ってないような笑顔に絶句する。まさか肯定されるとは、ミジンコほどにも思ってなかった。というか、孫悟空って悟飯くんのパパじゃないか。
「で、お前は何てぇんだ?」
「あ、First nameです」
「そうか、よろしくな!」
「ど、どうも」
「ブルマいねぇのかぁ、じゃあ一端帰るかなぁ。ベジータ、また来るって伝えといてくれよ」
「フンッ、何で俺様が」
「じゃあな!」
爽やかにまたシュンって効果音と共に悟空さんの姿は消えた。
「すっげぇ」
てか絶体ベジータさんはブルマさんに伝えないと思うけど良かったのか。まぁ、トランクスくんが言うか。
「First name!もう一回!もう一回!」
「あ、うん」
瞬間移動できたら楽だよなぁ。羨ましい。
学校さぼって彼とゲーム三昧な日も、たまには良いかもしれない。
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