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噛まれた。

噛まれた噛まれた噛まれた噛まれた噛まれた噛まれた噛まれた噛まれた。

誰に?

キバに。

キバに、噛まれた?


「ひっ」


恐怖で引きつった声にキバは我に返ったのか組み敷いていた手を慌てて離した。


「え、あ……」


キバ自身もよく分かっていないようで私の首筋から流れる赤に驚いているようだった。そして恐れをなきたのか私から飛び退き……土下座した。


「ご、ごめん!まじごめん!か、噛むつもりはなかったんだ!」


私は、そっと指先で痛む首に触れた。血液独特の感触にげんなりしながら指先を見れば、赤赤赤、赤。

止まる気配のない泪に、無意識に震えている手とか唇とか身体に何故かうんざりした。


「お、俺、傷薬とってくる!」


私より動揺しているらしい彼は、そう言って飛び出し。数分もしないうちに傷薬と一緒に包帯やら何やら抱えて戻ってきた。

ずっと謝りながら手当てしてくれたキバ。手当てし終わった後も謝りながら遠慮がちに抱き締めてくるキバに罪悪感が募った。



あの時、大丈夫だよの一言さえ言えていればこんなことにならなかったのかな。

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