小ネタ | ナノ


  Twitterのやつ


語り部
 素敵な語りを聞いてきたんだけど、物語りを語るのってとても凄いと思いました。
 そんなわけで物語の朗読がとても得意なトリップ主とか。
 たくさんの物語を暗記してるので語りができる。とにかく、生きるために必死なので酒場とか人の集まるところで物語を語って聞かせて稼いでるんだよ。落ちついた深い声で、妖精に出会った少女の話や人魚と青年の恋、賢い猫の話や怪談めいた怖い話を語ってくれる。
 船の上では娯楽が少ないから、そういう語り手はとても重宝されそうだなって。本が苦手なやつでも語りの世界には入り込めるね。そういうわけでどこかの海賊に勧誘されたりしてて良いんだよ。で、なんなら物語を作る方の才能もあったからそこで経験したことを脚色して話してくれたりするの。

海兵さんは職務に忠実
「せっかくおしゃれしてたのに!!」って怒りながらヒール投げつける海兵のお姉さんとかどうですか。休暇中でのんびりお買い物してたのに海賊どもに鉢合わせた。
 動きづらいからとヒールは投げつけて、スカートの裾をびりっと破いて素手で制圧するやつ。
 せっかく整えた髪もメイクもぐしゃぐしゃだし、ストッキングは伝線するし、ヒールは投げつけたせいで折れた。お気に入りのスカートは破いちゃったしでため息ついてるんだね。
 なんならデートの前だったとかでもいいよ。お相手は海兵さんだね。
 スモーカーさんとかね。騒ぎを聞きつけて来てみればしっかり捕縛された海賊どもと、それを縛りながらため息をついてる恋人。時間をかけて整えたであろう身なりはボロボロになってる。
「…大丈夫か」「あんまり大丈夫じゃないかも。このままデートは無理そう」
 ごめんね、と彼女は申し訳なさそうな顔をするけど、いつだって正義の味方であろうとするところが好きなんだよ。駆けつけた奴らに海賊を任せて、スモーカーさんはぼろぼろの彼女を抱き上げるよ。だって素足。
「ちょっとスモーカー! 自分で歩けるから!」「素足の女に歩かせる趣味はねぇ。とりあえず服屋に行くぞ」ってデートに連れてっちゃう。今日のデートは無理そうって思ってたから彼女はとても喜んだよ。

サボくんと喪服のお姉さん
 喪服のお姉さんっていいよねって話。
 サボくんの年上の婚約者さんが、サボくんが死んでも別の人のところにお嫁に行かないで黒いドレスのまま過ごしてるとか。
 8歳くらい上だとよいね。親のいいなりにはならない年。国にいるのも嫌だったからどこか小さな島の別荘で暮らしてる。
 サボくんはいろいろ思い出したら、お姉さんのこと調べるよ。だって大好きだった人だから。親が決めた婚約だったけど、確かに愛していたから。
 で、お姉さんが誰とも結婚せずにいることを知って迎えに行くんだよ。
 庭先の花に水をやる美しい人は、真っ黒な喪服を纏っていて、サボくんはなんだか泣きたくなったんだよ。彼女の想いの強さを目の当たりにしたような気がしたんだ。
 なんて声をかけたらいいか分からないでいたら、お姉さんはサボくんに気づいたよ。「何かご用ですか? 」って。
「…その、あんたに会いに来たんだ」って、サボくんは帽子を取ったよ。少し間があって、お姉さんは持っていたジョウロを落としてしまったの。「わたし、ゆめをみているのかしら」って。
 そんな再会を経て、いまは一緒にいればいいの。お姉さんはようやく黒いドレスを脱いだんだよ。

売店のお姉さん
 海軍さんちの売店のお姉さんは情報収集能力がすごい商売人。
「ちょっとそこの海兵さーん! 葉巻切れるところじゃないのー?」とか呼び込みしてるんだよ。いろんな人の葉巻とかタバコの好みを把握してるし、なんならなくなるタイミングもなんとなく把握してる。すごい。
 売店では新聞からお菓子、飲み物に食べ物、煙草と葉巻も扱ってるんだよ。あと、その他雑貨とか。泊まる人いるからね。
 で、出張営業と称していろんな人の執務室たずねたりする。お茶菓子とかいりませんかって。商売上手なお姉さん。
「そういえばそろそろ奥方様のお誕生日ではないでしょうか」とかいうこともあるよ。「ちなみに、私の情報では今年は可愛らしいワンピースをご所望でしたよ。これなんかいかがです?」「…ほんと、商売上手だよね」とかやってる。お姉さんの情報収集能力がすごい。諜報員かよ。



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