小ネタ | ナノ


  お姉ちゃんが憑いてるよ





小さな時からエースのそばにはエースにしか見えない少女がいた。何かに悩んでいる時、泣き出してしまいそうな時、そんな時にはいつもそばにいてくれた。ふわふわの黒髪で黒いワンピースを着た幼い彼女は、何か言葉を発するわけでもなく、ただいつでもニコニコと笑ってエースのそばにいた。
触れることはできない。彼女は薄く透けるような体をしているから。きっと幽霊とかそういうものなのだろう。けれど、不思議と恐怖はなかった。
何も言わずとも、語らずとも理解してくれている。そうして、そっと心を支えてくれる。彼女はエースにとってそういう存在だった。

「…ほんとに、いいのかな」

悩みに悩んで吐き出した言葉を肯定するように、小さな手が頭を撫でる。もちろん、その感触は全く伝わってこない。それでも、いいんだよなんてそんな言葉が聞こえた気がして、エースはこくりと一つ頷いた。




そんな感じでエースくんを全肯定して、支えてくれるお姉ちゃんのお話。ただし死んでる。

海賊王の娘ということで、それはそれは酷い死に方をした子。でも、生まれてくる弟か妹が心配すぎて化けて出た。そんで、憑いちゃった。
エースは何でかずっとそばにいる幽霊だと思ってる。お姉ちゃんだってことは知らない。

エースくんの精神的な支えになってる幽霊お姉ちゃんである。時々、ポルターガイストとかも起こすかもしれない。

白ひげに入ってから、イゾウさん(視える人)に、「愛されてるねぇ、エース」なんて言われたかもしれない。イゾウさんに通訳してもらって、ようやくお姉ちゃんだって分かったりするかもしれない。


とりあえず、エースくんと、見守るお姉ちゃんのお話。



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