波乱

黄瀬と青峰は勝手にゲーム始めてるし、各自先輩方と喋ってる者やお菓子に夢中な者もいてなんだか自分の家にいる気がしなくなってきた…。
とりあえず、宿泊者達にはお帰り願う事にしよう。

「そういえばお前らはお祝いって何をするつもりだったんだ?」
「みんなでどこか食事でも、って感じですかね」
「プレゼントも一緒に買いに行こうと思ってたんス!あー!青峰っちずるい!」
「よそ見してっからだよ、次はテツだ!」
「やめてください青峰くん」
「なまえちんもうお菓子ないの〜?」

あぁ、もう、うるさいこいつら…。
とりあえず各々遊んでるうちにシャワーでも浴びてこよう。

「準備してくるから青峰達はそろそろゲーム終わりにして。宮地達ももう帰るでしょ?」
「そうだな、長居するわけにはいかないし」
「シャワー浴びてくるから勝手に帰っちゃってていいよ」

着替えを取り出してバスルームに向かおうとすると笠松が顔を真っ赤にしてた。
私相手にはだいぶ慣れた方だと思っていたが、相変わらず免疫ないのね。

「私も一緒に…!」
「桃井、落ち着いて?」
「ところでなまえ先輩。一つ気になったのですが」

鼻息を荒くしながら立ち上がった桃井を宥めて一歩踏み出した所で、鳴りを潜めていた赤司から声をかけられたので振り返る。
赤司の方を見ると、部屋の奥…クローゼットを指さしていた。

「…何故、黛さんの宛名のダンボールがあるんです?」

バッ、と効果音が聞こえそうな程に全員が思い切り赤司の指さす先へ視線を向けた。
その直後全員の視線が私と黛を交互に見ている。
当の赤司はにこにこしたまま私を見つめているんだけどこいつ人んちのクローゼット開けやがったのか。

「半開きになっていたので見えたんです」
「心を読むな!いや、違う、そういう事じゃなくて」
「…オレがこちらで契約しようとしていた部屋が、不動産の手違いで他の入居者と契約してしまっていたんだ。別の部屋が見つかるまで荷物を置いてもらってるだけ」

どう説明しようかとしどろもどろになっていたら、黛が助け舟を出してくれた。
ほっと安心して赤司に向き直っても、まだ何か言いたそうにしている。
もう、めんどくさいこの子…。

「じゃ、じゃあ黛さんはその間、なまえ先輩と寝泊りするってことッスか!?」
「しねーよ、ホテルなりネカフェなり…」
「初耳ですね。オレに相談してくれたらすぐに部屋を手配したのに」
「なんでいちいちお前に相談するんだ。自分で探せる」
「なまえ先輩も黛さんの私物があっては迷惑でしょう?」
「いや、別にそんな…事は…」
「つーか、みょうじの彼氏でもねぇんだし赤司が口出す事じゃねーだろ」

あ。宮地、それは一番言ったらめんどくさいやつ…。
とか思っても、時は既に遅し。

「それもそうですね。なら彼氏になれば何も問題ありませんね?」

という、満面の笑みで告げられた赤司のその言葉が戦いのゴングだったらしい。
私からしたらただの厄介事の幕が上がっただけなんだけど…。



(何だよこの空気)
(赤司っちにだけ良いトコ取らせないッスよ!)
(僕も言いたい事がたくさんあるので頑張ります)
(宮地が余計な事言うからやでー)







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