解説

「卒業祝いねぇ」
「ワシらは昨日がそういう感じやってん」
「カラオケとか行ったりしてな。んで、終電逃した組が近くのみょうじん家に泊まったってこと」
「昨日なら福井と岡村もいたんだぞ」

終電逃した組とは黛、今吉、諏佐、宮地、大坪、笠松、森山、小堀のこと。
岡村と福井は宿泊してるホテルが近かったのでそちらに帰り、木村はお父さんが軽トラで迎えに来てくれるとのことでそのまま帰宅した。
これだけのでかい男たちが入るくらいの広さは充分にあるという事もあって何も気にせず我が家に泊めたのだが、カラフルズが来ることがわかっていればそんなことはしなかっただろう。
説明するとは言ったものの、宿泊者と来訪者たちが勝手に喋ってくれたのでとりあえず飲み物を準備する事にした。

「なまえちんの家広いね〜」
「ロフトあるじゃないッスか!いいなぁ」
「火神くんの家よりも広いんじゃないでしょうか」
「私も先輩の家お泊りしたいなぁ、今日お泊りしてもいいですか?!」
「お前たち少しうるさいのだよ!」
「だからお前もうるせーって」

朝の静けさとは打って変わって賑やかになり出すリビングを横目にキッチンに向かって、ひとまず赤司からのお土産を冷蔵庫に入れる。(八つ橋らしい)
人数分のコップを出して適当に何種類かの飲み物を準備し、巨人用のお菓子も出していた所で黒子が手伝いに来てくれた。
京都から引っ越してきて間もないものの、これだけの人数がこの家に集まるのは二度とないだろうな…。

「騒がしくしてしまってすみません」
「いいよいいよ、っていうか黒子も待ってていいよ?」
「一人では危ないので」

リビングを見ると、各々適当に腰掛けたり雑談したりしている。自由だなこいつら本当。
赤司は部屋の奥の方で腕を組んで立っていた。
お盆を二つ用意して、一つのお盆に飲み物の入ったコップをいくつか乗せたらそれを黒子が持って行ってくれた。優しい。

「みどちんそれちょーだい」
「これはオレのなのだよ!」
「Wii-Uあるじゃないッスか!マリカやろうよ青峰っち!」
「スマブラだろ」
「お前ら人んちでうるせぇよ、轢くぞ」
「まぁまぁ宮地、たまにはええやん」
「待って今吉、ここ私んちだからあんたが決めるな」
「っていうか、先輩たちがそんなに仲が良いって知らなかったなぁ」

ぽつりと桃井が呟いたので、つい今吉たちと顔を見合わせてしまう。
まぁ、強豪校同士だから試合とかで当たる事も多かったし、練習試合なんかもよくやっていたので仲良くなるのは自然な事ではあるけど。

「オレらからしたら、お前らの方がそんなに仲良しだったとは意外だよ」
「確かになぁ。試合んときのお前らの様子からは想像できねーよ」

森山と笠松がそう言ったので、今度はカラフルズが顔を見合わせていた。
私が帝光を卒業してから彼らの中で何かいろいろあったみたいだが、OGとして東京に帰った時に様子を見に行った時は黄瀬が入部したての頃で特に変わりはなかったように思う。
灰崎が退部してた事くらいかな。あと虹村が主将じゃなくなってたわ。

「正直、最初は別々で行こうって思ってたんスよ」
「でもなまえ先輩の家知ってるのが赤司くんだけってことになってー…」
「そんで赤ちんに言ったら、全員で行くなら住所教えるってことで」
「ちょっと待て赤司、私の個人情報を何だと思ってるの」
「いいじゃないですか。オレ一人で来るより受け入れやすかったでしょう?」

にこやかにそう言われたんだけどもう恐怖しかないよ…。



(ちなみに宅急便を装ったのはその方が面白そうだと青峰が言ったからです)
(僕の声だったんですが、気づいてもらえなかったのは少しショックでした)
(テツは声も影薄いんだな)
(青峰はしれっと傷口に塩塗りこむなよ…)

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