女子
ちょうど新しい下着が欲しかったので、男子共と別れてよかったと思う。
二人で買い物をして、マジバで一休みすることになった。
桃井はバニラシェイクを、私はアイスティーを注文して席に着く。
「ふぅ、今日は楽しかったです!」
「私もだよ、誘ってくれてありがとね」
その後はいろんな話をした。
桐皇の話、洛山の話…とは言っても、ほとんど桃井からの青峰への愚痴だったが。
「桃井は青峰と付き合ったりしないの?」
ふと感じた疑問をそのまま投げかけてみると、すごく思い切り否定された。
お似合いだと思うんだけどなぁ。
「あんなガサツ男より、私はテツくんです!」
鼻息を荒くしながらそう言う姿も可愛いのに、黒子は何をしてるんだ。
と呆れたところで、ウィンターカップの決勝の後のことを思い出した。
あの時、黒子に呼び出されて、告白されたんだった。
負けた直後だったし、よく覚えてないというかあの日一日分の出来事を忘れたいとまで思っているので今の今まで忘れていた。
確かすごく適当なことを言って断り、ひどいことも言ってしまった気がする。
黒子もこんな私なんかより、桃井の気持ちに気付いてくれたらいいのに。
「先輩はどうなんですか?」
遠くない過去のことを思い返していたら、完全に恋バナモードになってしまった桃井がこちらを見ていた。
そうね、切り出したのは私だったわ…。
「好きとか、よく分からなくて。付き合ったことも一回しかないし」
「赤司くんと付き合っちゃえばいいのにー」
「だから、赤司はそういうのじゃないの」
「じゃあ嫌いなんですか?」
こう、この子はいつも核心を突いてくる。
嫌いかと聞かれると、嫌いではない。
きっと好きなんだろう。
でも、付き合いたいかと聞かれると、違うような気がする。
(だからといって黛とまた付き合いたいのかと聞かれると)
(それも答えには困るんだけど)
(ほんと優柔不断だなぁ、私)
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