繋がる物語

非日常というのは時として唐突に訪れるものであって。

『シエラ:お呼び立てしてしまってすみません!実は先ほどの件についてご報告したい事があって』
『ぷそこ:報告ってあれかな、達成報酬みたいなのもらえるのかな』
『シエラ:やはりぷそこさんたちも、ヒツギさんたちと同じように地球からいらっしゃってるようですね』
『ぷそこ:へ!?ど、どういうこと…?』

きょろきょろと赤司くんや高尾くんたちに視線を移し替えていると、彼らもよくわかっていないようだった。
でも、地球は私達が生まれ育った惑星で、この世界はその地球で作られたフィクションの世界、なはず。

『シエラ:えっと、それではまずざっと説明だけしますね!』

そう言った後に、所謂この世界はフィクションではなく異世界…"PSO2"というゲームによって繋がった、実在する世界だという事を教えてくれた。
当然ながら他の人もこの世界に入り込んでいるということで、マザークラスタがこちらの世界を侵略しようとしているらしい。
全て聞いた後もいまいちよく理解が出来ず、そういう事を最も早く理解できそうな赤司くんに縋りつく。

『ぷそこ:わ、わかんない!』
『征:そうだな、オレも良くわからない』
『みほーく:赤司がわかんねーんじゃオレらに理解できるわけねーわ…』
『エース様:そもそもそれが、先ほどの異常事態となんの関係があるというのだよ』
『シエラ:混乱させてしまってすみません…エース様さんの仰る通り、それとこれとはまた話が違うのですが私達は実在している、という事をまずわかってほしかったんです』

申し訳なさそうにしゅんとしてるシエラさんがちょっとかわいかった。
じゃああれか、NPCじゃない、ってことか。
確かにNPCとしてはリアリティがありすぎる。

『シエラ:先日、先ほどお話ししたあなた方と同じく地球からこちらにいらっしゃっていたヒツギさんという方は、マザークラスタから攻撃を受けました。その時に出現したのは"幻創種"というエネミーだったのですが、今回はダークファルス…ダーカーの攻撃です』

そこまでシエラさんが話した所で、後ろの方でシュンッという音が聞こえた。
振り返るとそこには先ほど助けて下さったアッシュさんとマトイさんの姿があった。

『シエラ:お待ちしてました!ざっと説明はしましたよ』
『マトイ:ありがとう。傷は大丈夫?HPが0になってたら、実体にも影響があったみたいだし間に合ってよかったよ』

マトイさんが優しく微笑みながら気遣ってくれたけど、やっぱり私が感じていた恐怖は間違いではなかったらしい。
あの時殺されていたら、と思うと、途端に身体が震えた。

その震えに気付いたのか、赤司くんが肩を抱いてくれてちょっと落ち着いたけど本当に危なかったんだ、私。



(ただ楽しいだけだったのに、これからどうなるんだろう?)


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