11月お題 | ナノ


11月7日:日傘に微笑む太陽(TFP:ホイラチェ♀ぎにょ)



確かに今日は11月にしては温かい日だ。
隣を歩くラチェットもあー暑い暑い、と日傘を差しながらぶつぶつと呟きまくっている。
「地球が温暖化なのは本当なんだな…」
「早いとこエイジングケアをしないと紫外線も増えてシミだらけになるぞ?」
「分かってる!だからこうして日傘を差しているんだろう!ちゃんとUVクリームだって全身に塗ったんだからな」
「ああ、そう言えば背中とそのデカパイは俺が丹念に塗り込んでやったからなぁ。ただ塗ってやっただけなのにアンアン喘いですげぇエロかったぜ?」
ホイルジャックがニヤニヤしながら言うと、茹で蛸のようにラチェットの顔が赤く染まった。
「…あ、アホ!頼んでないのにお前さんが無理やり引ったくって塗りたぐったんだろ!このセクハラ魔!」
腹いせの如く背中を平手打ちしてやると、イテェ!っと悲鳴が上がった。
無言の抗議を鼻で笑い、ラチェットは日傘を差し直して先を歩こうとする。
が、横から急にホイルジャックの手が伸びて日傘を奪われてしまう。
当然、太陽の光が容赦なくラチェットに降り注ぐ。
「何をするんだホイルジャック!」
「俺だって紫外線は嫌なんでね。ほら、こうして肩寄せ合ったら2人で入れるだろ?」
右手で日傘を持ちながら左手で肩を抱き寄せられるラチェット。
相変わらず強引な男だとラチェットは溜息をつく。だいたいこんなに密着したら余計暑いのに。
ホイルジャックを見上げると、腹ただしいほどにニヤニヤ顔でこちらを見下ろしていた。
(これ、相合傘だよな…)
そう気付いて恥ずかしさが込み上げるが、肩に置かれた手を話す気は毛頭無いようだった。
だからラチェットは諦めた。
嫌いではないから。



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