11月5日:求めていた笑顔を見つけた(ADV:スワビー)
何故、バンブルビーなのか。
もしも他人にそう聞かれても、恐らく納得のいく答えは返せないだろう。
サイドスワイプ自身も何故よりによってバンブルビーに惚れてしまったのか分からない。惚れたと言っても親愛の情ではなくもっと奥深い感情の方だ。自分はバンブルビーに愛情を抱いている。
もっと更にぶっちゃけるなら守りたいし触れたいし、叶うならば抱きたいとさえ熱望している。
そんな想いが膨れ上がって遂には爆発してしまった時、感情の行き場を無くしたサイドスワイプは救いを求めるようにバンブルビーへ想いを告げた。
玉砕覚悟で、叶わぬ恋ならいっそ潔く散る方がいいとさえ思ったのだ。
そんな悲痛なサイドスワイプの想いをバンブルビーは驚きながらもーー真っ直ぐ受け止めてくれたのだった。
この瞬間、サイドスワイプは歓喜のあまりオールスパークの海へ危うく昇天しかけるが焦ったようなバンブルビーの呼び声で我に帰った。
「な、なぁ本当に俺でいいのかよ…っ」
嗚咽しそうになるのを堪えながらもサイドスワイプは恐る恐るバンブルビーを抱き寄せる。
絶対に断られると思い込んでいたのか。現実味がわかずに震えが止まらない青年の背中をバンブルビーは優しく撫でた。
「俺は君だから選んだんだ。だからもっと笑ってくれないか?」
「バンブルビー」
「ほら笑って」
「………ああ」
歪んでいた顔に笑みが広がるのを見たバンブルビーも嬉しそうに笑った。
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