TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月30日:色違いの七本の薔薇(ADV:スワスト)



これやるよ、とサイドスワイプに差し出された7本の薔薇を見ながらストロングアームは訝しげに首を傾げていた。

「何で急に花なんて贈るのかしらね…」

しげしげと薔薇を眺め回しながらぼやく。
薔薇と言ってももちろん本物ではなく、どこで調達したのかトランスフォーマーサイズの薔薇をご丁寧にラッピングして「もしいらねーなら捨てていいから!んじゃ!」と真っ赤な顔で押し付けた挙句にビーグルにトランスフォームして走り去った(逃げ去ったがしっくり来るか)彼の奇妙な行為の意図は一体何なのだろう。

「まさかウィンドブレードがいなくなったからって私に押し付けたとか……さすがにそれはないわよね?て言うかそうだったら顔面に投げ返すけど。でもわざわざそんな事を彼がするとは思えないし…だいたい、何で7本の薔薇なの?しかも全部色違いだし…何か意味があるのかしら?」

ブツブツと推理するストロングアームはラッピングの裏にあるメッセージカードの存在にまだ気づいていない。
7本の薔薇に秘められた一方通行な想いに彼女が気付くのはもうしばらくしてからだった。


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