TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月29日:次も会えるとしたら(ADV:バンブルビーとオプティマス)



「助けが必要な時は必ず駆けつけよう」
「オプティマス…」

リーダーとしての力不足を感じてあれだけ邪険な空気にしてしまったと言うのに、優しく頼もしいオプティマスの言葉にバンブルビーのスパークはジンと来た。
ああ、これからまた離ればなれになるのだ。
彼には彼にしかできない事がある。
それは仕方がないことだと理屈では分かっているのに、やはり寂しいものがあった。
そんなバンブルビーの憂いた表情を見たオプティマスは、微笑を浮かべて肩に手を置いた。

「…以前、君は私に言ったな。また会えるかと。大丈夫だ。必ずまた会える。会いに行く。安心したか?」
「は、はい…!」
「それまでこの星を頼んだぞ、バンブルビー。…それでは出発しよう」

振り返りかけたオプティマスに慌ててバンブルビーは声を掛けた。

「あ、あの!オプティマス待ってください!少し屈んでくれませんか?」
「うん?」

不思議そうなオプティマスが開きかけた唇をバンブルビーのそれがすばやく塞いですぐに離れた。

………。

あまりと言えばあまりにも衝撃的な場面を目撃したその他面々は石のように固まった。
ただオプティマスだけは欠片も動揺せずにじっとバンブルビーを見つめていた。

「行ってくる」
「行ってらっしゃい」

照れ臭そうにはにかみながらも嬉しそうに頷くバンブルビー。
オプティマスも嬉しそうである。
そして、固まったままのラチェットを支えながら残りのメンバーと船に乗り込み去ってゆく。
半ば呆然とするチームの仲間達から突き刺さる生温い視線に全く気づかないバンブルビーは、去りゆく船を見えなくなるまでずっと見送っていた。


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