TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月26日:眠る君に永遠の誓いを(TFP:メガオプ)



壮絶な殴り愛の果てに、互いの強烈なクロスカウンターが綺麗に決まって仲良くその場に倒れてしまった。
先に意識が回復したのはメガトロンだった。痛む頭を抱えながら億劫そうに上半身を起こして辺りを見渡すとすぐ隣にオプティマスが仰向けに倒れていた。
オプティマスも殴られた顔が痛むのか、うんうん唸りながら未だに起きる気配が無い。
トドメを刺すならば今まさに絶好の機会だろう。そう思いつつじっと様子を伺っていたメガトロンは、あまりにも無防備過ぎるライバルに些か呆れてしまい、湧き上がっていた殺意も次第に薄れてゆく。
もうこのままネメシスに帰ろうか。風呂にも入りたいし。
…しかしこのまま帰るのも面白く無い。
メガトロンはニヤリと怪しい笑みを浮かべる。
そして隠し持っていた赤ペンをおもむろに取り出して蓋を外すと、戸惑うことなく気絶したままのオプティマスの顔にペン先を近付けーーー




「…メガトロンを取り逃がしたか。みんなすまない、心配を掛けてしまったな……みんなさっきから静かだが一体どうしたんだ?ラチェット、何か緊急事態でも起きたのかい?」
「いや、オプティマスその……君の顔が…」
「私の顔?」
「まあ、ほれ。鏡を見た方が早いから」
「?………………なっ」

生温い笑顔を浮かべたラチェットから手鏡を手渡されたオプティマスがじっと覗き込んでーーー自分の頬に赤いハートマークが落書きされていたことに気付いて絶句した。



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