TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月24日:美しい空がある心(AT:フラクチャー一家)



人気の無い原っぱに川の字で大の字で寝転ぶ三体のディセプティコンは、何をするでもなくただボーッと満天の星空を眺めていた。
幾千幾億もの煌めきが闇を埋め尽くしている景色は、まさに自然の絶景だ。サイバトロン星では絶対にお目にかかれない景色だ。

「この星はなーんもねぇが、自然は綺麗だよな」
「ですねーボス」
「こんな綺麗な星空、サイバトロン星じゃ絶対見れませんぜ」
「あっちは年中夜だしなぁ。照明が眩し過ぎんだよ」
「当たり前過ぎると星空があるなんて忘れてしまいますね〜」
「そうだな……おいエアレイザー、ダイブボム」
「はい?」
「何ですボス?」
「秋の夜は冷えるだろ。もっとこっち寄れ」

首を傾げる二体のマイクロンにフラクチャーはニカッと笑って手招きすると、パッと顔をほころばせた二体のマイクロンは子犬のようにフラクチャーに飛び付いた。
腹の上に乗っかかれたフラクチャーはグエッと蛙が潰れたように呻いたがすぐに二体を胸元に抱き寄せる。

「へっへー」
「あったかいっすね〜ボス」
「そうだなー」

寄り添うマイクロンの機体熱が冷たい金属の肌に心地良かった。


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