TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月22日:秋風に踊る花びら(ADV:スチビー)






季節は秋。
紅葉しはじめた山のふもとにある隠れスポットのようなコスモス畑の真ん中にバンブルビーは寝転び夕陽を眺めていた。
その上からパラパラと舞い落ちてくる色鮮やかなコスモスの花びらが、バンブルビーをカラフルに染めてゆく。
花びらを落として満足げな笑みを浮かべるスチールジョーを見上げたバンブルビーは苦笑した。

「ずいぶん似合わない真似するじゃないか」
「なかなか似合うぞバンブルビー。よし追加だ」
「ちょ、待て待て!俺を花びらだらけにしてどうする気だ!」
「綺麗な体を花葬にしてやろうと思ってな」
「何なんだそれ!………あっ」

そう言ってさらに大量の花びらを蒔こうとするスチールジョーに慌てて起き上がろうとした時、急に強い風が吹いた。
スチールジョーとバンブルビーを包み込む秋風は花びらを残らず空へ巻き上げてしまう。
呆然と見送るスチールジョー。
バンブルビーはオレンジに染まる空へ風とダンスをするように舞い上がる花びらに見惚れていた。
ふと、隣にグルル…と不満げに唸るスチールジョーがめげずにコスモスの花を千切っているのを見たバンブルビーは思わず吹き出してしまった。



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