10月7日:恋を落とさないように(ADVスワスト)
「正直な本音を言うとね」
「んあ?…なぁスージー、今いいところなんだからよぉ」
「…今だに貴方とこんな恋人同士のキスをしているなんて信じられないわ」
本当に久しぶりに、2人きりでこんな甘いムードになったのに情緒が無いぞ、とむくれるサイドスワイプにストロングアームは笑う。
お互いに向き合って座る恋人座りをまさかこの自分がやるなんて。しかもこのサイドスワイプと。
「何だよそれ。確かに恋人になってから日は浅いけどよ、俺は嬉しいぞ?」
「私は、貴方はてっきりウィンドブレードが好きなんだと思っていたのよ。だってあんなに犬みたいに媚びまくっていたじゃない」
「犬はないだろ犬は!?ま、まあそりゃー確かにウィンディは美人だしスタイルいいけど…!?」
ジロリと睨み付けるストロングアームにサイドスワイプは絶句する。
「で、でもな!遠征チームに入って、お前から離れてから初めて俺はストロングアームが好きなんだって気付いたんだよ!やっぱり俺、お前じゃなきゃダメだ…!」
「な、ちょ……ンッ!」
異性に、こんなにも熱を帯びた眼差しで真っ直ぐ見つめられた経験など今までになく。
彼女の無防備な唇を強引に塞いだサイドスワイプの横っ面が張り手で歪んだのは、ストロングアームのブレインが羞恥で爆発した数秒後であった。
(終)
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