TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月5日:重ねるごとに幸せになること(ADVラチェオプ)



君の背中を見て思う。
君はたくさんの悲しみを知り、たくさんの裏切りを知り、そして永遠に消えない愛を知った。
愛するが故に苦しみ、愛するが故に悲しむ君に私は何をしてやれたのだろう。
君が愛情を向ける相手が君を殺すほど憎んでいてもなお、和解を諦めようとしない君を私はただ守りたかった。
悲しそうに微笑む君をただ、私は…






「これは…あれかな?私は君に口説かれていたのかな?」
「ウワアアァァ!?オプティマスそれ私の昔の日記!!止めろ読むな読むな読むなー!今読んだ内容は今すぐ記憶回路から消去してくれー!!」
「いや、ラチェット….さすがにそれは無理だよ。でもこの日記、私がいなくなってからなんだか濃厚な愛の告白みたいな文章になっているんだが……?」
「やーーめーーろーー!!」
「そうかそうか、そんなに私が好きなのか。照れるなぁ」
「やーーめーーろーー!!」
「でも…」

ふっとオプティマスが笑う。
以前の姿とはまた違った新しい姿で。
うっとラチェットは固まる。
彼が微笑んだだけでこの体たらく。顔の熱が上昇してゆく自分の初心さがひたすら憎い。乙女か!?

「今はもう寂しく無いだろう?」
「は」
「今は幸せかい?」
「…………まぁ、少しは」
「そうか。ふふふ」
「…っ、いいからそれ返してくれ!」


…ああ、確かにな。
目の下にクマが出来るほど絶望感に震えていた日々よりは確かに幸せだよ畜生!
好きなんだよ畜生め!


(終)


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