TFA短編 | ナノ

2019バレンタインのお題小話(カプ色々)

[バレンタイン2]

・義理が最優先(ウル←ププ)
*片思いだけど身分が違い過ぎて義理すら送ったらかえって失礼なんじゃないか…?とうだうだ悩むププ。

バレンタインデー。
今年も来た。と言っても地球と言う惑星の中に存在する文化の一つだが、その珍妙な文化がとある商魂逞しいディセプティコンの企みによってセイバートロン星に伝えられて以来、たった一年前なのにすっかり流行ってしまっていた。
内容はシンプルだ。意中の相手、または世話になった者にカードやらエネルゴンで出来た菓子やらを贈るというそれだけのもの。
ただしその中には意中の相手だけ贈るものがある。
それがエネルゴンチョコに込められた愛とやらだ。

「はぁ…はたして送っていいものなのか?相手はあのお方だし……気分を害されないかな」

手に持ったシンプルかつ洗練されたデザインのエネルゴンチョコを持ちながら悩む若者。
そんなオプティマスの肩に座る少女サリは、呆れたような顔でちょっぴり赤く染まった頬をペチペチ叩いた。

「それは絶対あり得ないし、むしろ泣いて喜びと思うわよ」
「サリ、なんだが断言するような言い方だが相手はウルトラマグナスだぞ?きっと私以外にも山のようにチョコが届いて…」
「あの人が好きなのは1人だけ!」

ああもどかしい!
サリより遥かに年上のこの友人の恋を、さてどうやって後押ししてくれようか?



・値段はつけられません。なぜなら…(スィンドル流の愛情表現)

はい、はい。これは遠慮なく受け取ってくださいね〜
お金?要りませんよ!私からの気持ちですから受け取ってくださるだけで結構!
…え?それでも悪いから払う?
はあぁ……貴方のそーゆー生真面目な性格も好きですが、あまり生真面目過ぎるのもしんどいですよ〜?
だーかーら!いいから黙って受け取れってんだろ!?しつけーなアンタ!

……

………あ。すみませんね〜つい素に戻っちゃいました。これでもディセプティコンですからね?
あーもー。分かりました分かりました。
じゃあお金の代わりにこう言いましょうかね。
お代はラブで結構!


・告白したいのに声が出ない(ビーププ)

声が出ない。
物理的に。

「うむ。宇宙風邪じゃっど」
《何その在り来たりな名前》
「おいが知るか。名付けた奴に聞け!とにかくお前さんは風邪を引いとる。しばらくは大人しく寝とるこったな」
《えー!?明日はサリやオプティマスとチョコ作る約束だったのに…》
「なら尚更寝とけ!2人に移したくないじゃろ?」

厳しいけど優しさも含んで言い放たれたラチェットの言葉に、さしものバンブルビーも引き下がるしかない。
頭をポンポンと叩かれながら頷くと「熱がある時は素直じゃなぁ」と笑われてラチェットは部屋を出て行った。
部屋に1人残されたバンブルビーは頭からシーツを被って不貞腐れる。
声が出ないとは不便なものだ。よりによって明日はバレンタインデーなのに。
通信じゃなくて直接言いたかった。大好きなあの人に「好き」だって。
不運だな…
ウトウトと我が身を憂いながらバンブルビーは夢の世界に落ちていった。
翌朝、熱が下がり枕元に笑顔を浮かべながらオプティマスが、エネルゴンチョコがたっぷりとけたドリンクを片手に寄り添っている未来をこの時はまだ知らない。


・真冬に咲いた恋の花(ロクププ)

お人好し過ぎるのも考えものだろうな。
特にこいつは無意識に何の企みもなく与えるから勘違いする奴が続出するのだ。
目の前で笑う青二才の若造から「みんなで作って余ったから」とくれたやたら甘ったるい味がするエネルゴン。奇妙な形は何か意味があるのか?そう聞いたら「さあ、どうだろうね?」と含み笑いをした奴の小憎たらしい顔が気に食わない。
ついでにスィンドルの人を小馬鹿にしたようなアホ面ももっと気に食わない。
さらにはメガトロンの殺意を込めた目も恐ろしい。
どいつもこいつも…!
これだから嫌いなんだよ!
一番アホ面かましているのは俺だろうなクソッタレが!


・背伸びが足りないチョコレート(メガププ)

「チョコの量が足りないかな?メガトロンの体格を考えたらサイズが小さい気がするが…」
「足りない分は愛で補えばよい。さあさあ我の部屋に」
「…メガトロンのそう言う潔いところが好きだよ」


・甘い言葉と苦いキス(ウルププ)

軽く触れ合うような無邪気なキスから始まって、お互いに笑い合いながら指を絡ませる。
細い腰を胡座の上に引き寄せてさらに密着させた青い機体の熱が心地よい。

「こんな風に君と過ごせるなら地球の文化も悪くはない。私のオプティマス、君の欲しいものを当ててあげようか?」
「今日は何の日か貴方はご存知でしょう?私の欲しいものをください」

照れ臭そうにはにかむ彼の顔が愛おしい。
頬に指を這わせながら青く澄んだオプティックを覗き込んだ。

「ほろ苦いエネルゴンチョコは好きだろう?…そして熱い楔も欲しいのではないか?」
「……っ、……あ、なら、ください……全部欲しいです……」
「喜んで」


・今年もあなたに愛を込めて(センププ)

「愛を込めて花束とチョコをオプティマスに差し出して似合わないと笑ってくれても構わないから受け取って欲しい!と勇気出して言ったら腹を抱えながら床を転げ回って爆笑されたから影で笑いを堪えているバンブルビーと小娘ちょっと裏庭まで来い」


・チョコよりも好きです(センププ)

「知ってたか?」
「知ってたよ。君は分かりやすい男だから」
「あ……そ、そうか。なら、これは要らないか?」
「もちろん頂くさ!でも照れる君も意外と可愛いなぁ」
「うっせぇ!!」


・真心は恋よりも強し(ジャズププ)

既にたくさんの贈り物を両手いっぱいに抱えている私の恋人は相変わらず敵味方問わずモテまくる。
本人にその自覚が全くないところに時々危機感を覚えるけれども。

「好きなのは君だけだ」

私が本当に受け取りたいものは一つだけだよ、と顔を真っ赤にしながら笑う彼を一生大切にしようとプライマスに誓った。



・苦手な手作りプレゼント(メガププ)

「…この茶色の物体は何だ?」
「我の手作りチョコに決まっとろう。結構苦労したんだぞ?ありがたく食うがよい」
「へぇこれはチョコなのか………で?なぜこの形に固めたんだ?」
「貴様がいつも美味そうに咥えているだろうが。我のデカくて太いーー」
「ウルトラパンチ!!」



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