TFAお題小説3 | ナノ





09.テーブルの書置き(センププ)



ふとセンチネルはスリープモードから覚醒した。
窓の景色を確認する。まだ早朝だ。

(喉が乾いちまったな…)

起きる前に隣で眠るオプティマスにキスをしようと右手で隣を弄るが何も無い。

「んあ?オプティマス…起きたのか?」

驚いてシーツを捲るがやはりいない。部屋を見渡しても影も形もない。

「あいつどこ行ったんだよ。一言ぐらい言えよな…」

頭を掻きながらセンチネルは愚痴る。確か今日は休日だ。何か用事でもあったっけ…と寝る前を思い出し始めてあっと呟く。
そう言えば、昨晩オプティマスは『今日は古い友人に会いに行って来るよ』などと言っていた。
彼が嬉しそうに友人、と聞いてセンチネルはピクリと反応する。

『友人って誰だ?男か?』
『違う、女性だよ』
『…まさか元カノか!?』
『………』

何故か気まずそうに沈黙するオプティマス。
まさかの図星とは!しかもこの淡白な男に彼女がいたなんて信じられない。
しかも元がつく?どうして別れた?
次から次へと疑問は尽きない。そんなセンチネルの雰囲気を悟ったのか、オプティマスは観念したように苦笑しながら首を縦に振る。

『元カノだよ。もうだいぶ前に別れたけど』
『なら何で会いに行くんだよ?その女が今さらやり直したいとか言ったのか?まさかお前が…』
『いいや』
『じゃあ何なんだ』
『彼女、明日結婚するんだ。お相手はエリートガードの高級将校。私にも招待状が届いたから行って来るよ』

彼が何を言っているのか、センチネルは理解出来なかった。
オプティマスがあまりにも気楽そうに言うものだから、優秀なブレインの思考回路が一瞬だけフリーズしてしまう。

『…何だそれ。お前に結婚式の招待状ってそいつ元カノなんだろ?お前が行く必要あるのか?』
『ないとは思うけど、わざわざ向こうが送って来たんだからご馳走が食べれると思って一応参加しようかなぁと』
『何で別れた』
『まあ色々あってね』
『エリートガードの高級将校とか言ったな?それは、あれか。ようするにその女がそいつに乗り換えたから別れたいって?』
『それもある』
『他にもあんのかよ』
『本当の事を言えば、別れましょうと言われた時…私はホッとしたんだ。なんとなく付き合い出して、なんとなく一緒に過ごして。でも今となっては彼女の事を本当に愛していたのかどうか分からない』
『…オプティマス』
『愛って難しいな』

センチネルは何とも言えない顔でオプティマスを見た。
オプティマスはただ微笑んでいる。
しかしどこか寂しそうな顔だ。センチネルは顔を近付けて覗き込むと、何かを言おうとした唇を強引に塞いだ。

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