TFAラストエンゲージ | ナノ

変わるということ(*アラクニア→メガププ)

暗闇に蠢く影が見えるーー


センサーが不明な接触を感知。スリープモード解除。オプティックに光が灯り、オプティマスの意識が浮上する。

(…こんな時間に侵入者か?私に気配を感じさせずに侵入出来る者と言えば、サイバー忍者か、メガトロンか…そう言えばメガトロンは何故あの巨体で忍び込めるのだろう。あの夜這い野郎……いや今は目の前の侵入者に意識を向けなければ。誰が……)

まだ濁る意識を彷徨うブレインを必死で制御しつつも敵かどうか分からぬ侵入者の顔を見ようとしたオプティマスは絶句した。
仰向けの自分に跨るそれはクスクスと妖艶に微笑む。性を貪り尽くす女悪魔のような妖しさも漂わせながら胸元にしなだれかかるその正体は、昔から知っている彼女に間違いなかった。
しかもご丁寧に何らかの毒を仕込まれたか。
オプティマスは痺れたように動かない機体を恨めしく思いながらも、口を開いて必死で声を絞り出す。

「……っァ、…」
「あら、結構キツい毒を仕込んだのに。もう口が聞けるのね?驚いたわ。さすが私が惚れただけの男ではあるわね。まあもっとも昔の話だけど」
「…ぇ、えりーた……っぜ、ここに…」
「何故ここに来たのかって?もちろん理由はあるけど、貴方に馬鹿正直に言っても断られるに決まってるから強行手段に出たのよ。この状況見てまだ分からない?」
「な、にを……?」

かろうじて動かせるオプティックをエリータにーーアラクニアに向けると、アラクニアは何を思ったのか急に口付けて来た。
両頬を包み込まれながら啄ばむられても、やはり機体はピクリとも動かせない。
しばらくして気が済んだのか、ようやくアラクニアは唇を離した。
胸元にもたれ懸かり、不安と羞恥に澱むオプティマスの顔を覗き混む。

「ああーーそんな怯えた顔をしないでオプティマス。心配しなくても貴方に仕込んだ毒は一時的な麻痺にするだけで、胎内の赤ちゃんも無事だから安心して頂戴。私はね、ただ貴方との子が欲しいの。それだけ」

…今ほど動かない機体を恨めしく思った事はない。
驚く事も怒鳴る事も出来ない己が憎らしい。
それ以上に、何故急にそんな事をしようと思ったのか。オプティマスは彼女の真意を図りかねた。

「分からないって顔ね。そうね、はっきり言えば…貴方のCNAデータが欲しいのよ。私と貴方の遺伝子が混ざり合った子供が欲しい。だって貴方はメガトロンのCEになって子も孕んだ。私のものにはならない。スタースクリームもディセプティコンに復帰したなら副官の地位も危うくなるわよね。メガトロンは何も言わないけど、でもスタースクリームは戻ってから妙に大人しく振舞っている。バカみたいな野心さえ無ければ有能な男なのよ、奴は。何より私はそれほど副官の地位に固執しない。それ以上に願うのは貴方との子を孕みたいって。そう、思ったのよ。それは悪い事じゃない、わよね?ただ棒から出るいやらしいオイルを私の腹の中に出すだけだもの…」

アラクニアの細い指先が股間を弄り、嫌でも敏感なセンサーを刺激されてオプティマスは震えた。
同時に彼女の小さな舌が首筋を舐め上げる。
小さな尻を振りながら、挑発的に女体の双房をオプティマスの胸板に押し付ける。
それだけでジワリと欲望の火が灯ってゆくのを、オプティマスは困惑しつつも自覚していた。
メガトロンに激しく抱かれる時は、自分は確かに雌の役割をしているのに今は雄としての機能が高まりつつあった。
股間のハッチに納めらているコネクタに油圧が巡り勃起してゆく様を感じてさらに興奮してしまう自分が嫌になって来る。
嫌なはずなのに、機体は麻痺して指一本動かない。
決して彼女が嫌いな訳ではない。
ただメガトロンに対する裏切りと、腹の中に彼との子がいるにも関わらずこんな睦み合いは倫理に反するのだと。
そんな背徳感にスパークが締め付けられる。
けれども淫らな機体は彼女の愛撫に感じてしまうのだ。
アラクニアの手がハッチを割いてコネクタを取り出すと、勃ち上がり掛けた鎌首から根本まで優しく、優しく手淫を施し始める。

「うぁっ………ァッ…ッ…!」

波打つような甘い刺激がオプティマスのブレインを犯す。刺激はやがて快楽信号へと変換され、さらに強い刺激を求めようとパルスを発生させた。
それに気づいたアラクニアは指を離すと今度は口を開けて先端を咥え込んだ。

「あ!あぁっ……!ゃ、め、そ、んなっ……!」

軽く吸い上げた瞬間、堪えきれずにオプティマスは快楽に震えた声を上げてしまう。
くふっ。コネクタを舐めながらアラクニアは笑う。強制的に与えられれる快楽に表情を歪ませながら悶えるしかないオプティマスを見るのが楽しくて堪らない。
まるで蜜を舐め取るかのような隠微な
舌さばきでコネクタを攻めあげてゆく。脈打つチューブの蠢きを口の中で感じながら、もうそろそろ限界かとアラクニアは悟った。
アラクニアは実際に発射寸前であった先端から口を離して先走りのオイルがこびり付いた口元を拭う。
ふとオプティマスへ視線を向ければ、口を噛みながらぎゅっと耐えるようにオプティックを閉じている顔が見えて思わず笑ってしまう。

「気持ち良かったのよね?」
「………っ…」
「ふふ、これからもっと気持ち良くなるのよ。さあ私に貴方の子種をお腹いっぱい頂戴」
「まっ、まって、えりーた…!」

止めてくれと冷却水交じりに懇願するオプティマスを一瞥したアラクニアは、コネクタを握りながら腰を上げて自らのレセプタを解放した。
ピタリと入り口に当てられた先端の硬さに感じつつも、ゆっくりと腰を落とし始める。

(あぁぁっ……そんな、彼女の中に、私のが挿入ってゆく……!)

飲み込まれてゆくコネクタをわざと締め付けると、電流のような快楽がオプティマスを襲った。
声も無く仰け反る。毒の効果が薄くなって来たのか、次第に機体の自由が広がっていくがやはり満足に動かせない。
それなのに快楽信号だけはブレインにハッキリと届く。

「は、ぁっ……ねぇ分かる?貴方のコネクタを全部挿入ったのが…あぁ、太くて硬くて気持ちいいわぁ…少しでも動けば種が出ちゃうわよねぇ…気持ちいいでしょ?これからもっともっと気持ちよくしてあげる」

そう囁いて軽く腰を振れば、すぐに悶えるような悲鳴が上がる。

「あ…!んっ……!」
「いっぱい出してね…?愛しいオプティマス…」

優しく頬を撫でながら上下に腰を振り始めたその後は、もうまともな意識を保つ事は不可能だった。






「…ぷてぃます、オプティマス…」
「……?」

誰かが自分を呼ぶ声がする。
愛しい声が自分を呼んでいる。
ふっと見上げた先には、自分を心配そうに見下ろしているメガトロンの顔があった。

「無事か?機体に多少の負荷が掛かっているようだが。あの女に何をされた?」
「エリータは…アラクニアは今どこに?」
「聞いているのは我だぞ?…まあいい。あ奴は軍を抜けて姿をくらましよった。今、ショックウェーブに行方を探させているが恐らくは見つからぬ。二度と我の前に現れまい」

淡々と離すメガトロンの言葉にオプティマスは衝撃を受けた。
あれは夢ではなかったのか。
ならば、何故彼女はあんな真似を。
いや、あんな真似をしたからこそいなくなったのだろうか。

「メガトロン、彼女はーー」

言い掛けたオプティマスの唇をメガトロンのそれが塞ぐ。

「何も言うなオプティマス。あ奴の意思ならば我はもう何も言わぬ。追っ手も差し向けぬから安心しろ」
「私は、確かに彼女に」
「何も言うなと言ったぞ。夢だ。ただの夢だ…」
「ンッ……」

再び口付けられて、熱を失った機体が火を灯したようにまた熱くなる。
剥き出しにされたコネクタを今度はメガトロンの大きな手に包み込まれ上下に抜かれるとオプティマスは快楽に喘ぎ、脚を左右に割かれて組み敷かれた。
荒々しい愛撫を受けながら蜜オイルに濡れそぼったレセプタの入り口にメガトロンのコネクタが当てられ、ゆっくりと挿入されてゆく。

「あぁぁっ…!メガトロンっ…!」

久しぶりの圧迫感にオプティマスは歓喜の声を上げた。コネクタに絡みつくチューブの壺が奥へ奥へと飲み込んでゆく。
しかしコネクタの挿入する速さがやけに慎重さを感じるのは、受容器の中にいる卵に配慮しているためだろうか。
メガトロンの気遣いに感謝しながらも、オプティマスは彼の首筋に両腕を回して腰にも脚を絡みつかせる。
根本までコネクタを埋め込んだ後、オプティマスは深呼吸のように大きく排気した。

「オプティマス、お前にあまり無理をさせたくはないが我もいつまで耐えられるか分からん。嫌なら我の顔を思いっきり殴れ」

真面目な顔でそんな事を言ってくるメガトロンに思わず吹き出してしまった。

「殴りはしないが、一回で終わらせて欲しいな」
「…努力する」
「ん…」

チュッと触れるだけのキスをした後、オプティマスの両脚を抱えながらゆっくりとメガトロンの腰が動き始める。
ブレインを犯す熱と甘美な刺激。機体が淫らに混じり合い、絡み合う快楽信号が二体を高みへと上り詰めてゆく。
もしも腹に子がいなかったら、間違いなく獣の交尾のような激しい接続になったであろう。
揺さぶらつつもその事を少し寂しく思いながら、やがてオプティはメガトロンの精を奥深くに受け止めた。






ーーーそして数日後。

ショックウェーブの懸命な捜索にも関わらずアラクニアの行方は掴めなかったとメガトロンから聞かされた。

それはスタースクリームが副官に復帰したと発表された翌日の話だった。




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